行政 : 7割が「公益社団(財団)」への移行を希望
(財)公益法人協会は、7月下旬、財団法人・社団法人を対象に公益法人制度改革に関するアンケート調査を実施した。8月4日に発表された結果では、「一般社団(財団)法人、公益社団(財団)法人のどちらへの移行を希望するか」の問いに対しては、7割を超す法人が「公益社団(財団)法人」と答え、そのハードルとなる公益認定の基準については、3割の法人が「クリアに全く問題なし」と答えている。
今年6月2日に、下記の公益法人制度改革関連3法が公布された。
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
- 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
公益法人制度改革3法の施行については、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の附則で、「この法律は、公布の日から起算してニ年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること」とされており、新制度は、平成20年度中には施行される予定。
なお、約2万6千ある現行の公益法人については、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の第44条、第45条で、施行日から5年間が「移行期間」と定められ、施行後は「特例民法法人」として存続し、移行期間内に、一般社団法人、一般財団法人への認可申請、あるいは、公益社団法人、公益財団法人の認定申請を行ない、新制度へ移行する必要があるとされている。
公益法人制度改革関連3法が公布されたことをうけて、7月下旬、財団法人公益法人協会は、財団法人・社団法人を対象に、「公益法人制度改革に関するアンケート」を実施した。
この調査は、E-mailによって実施。9,218の社団法人・財団法人に回答を依頼し、669の社団法人と807の財団法人から、あわせて1,476団体の回答が得られた。回答率は16.0%。
「公益法人制度改革をどう評価していますか。」の問いには、「わからない」(45.8%:676法人)がトップ。その次が、「良くなったと思う」(25.9%:383法人)。以下、「かわりばえしないと思う」(16.1%:238法人)、「悪くなったと思う」(12.1%:179法人)と続く。
「一般社団(財団)法人、公益社団(財団)法人のどちらへの移行を希望していますか。」の問いに対しては、「公益社団(財団)法人」(71.5%:1,055法人)と答えた法人が最も多かった。2番目に多かったのが、「移行方針未定」(20.3%:299法人)。「一般社団(財団)法人」と答えた法人は4.7%(70法人)のみ。ただし、わずかではあるが、「移行せず解散の方向」(0.8%:12法人)や「営利法人への転換を検討中」(0.5%:7法人)と答えた法人もあった。
「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」の第5条に掲げられている18項目の公益認定基準については、「一部抵触、改善努力必要」(43.8%:646法人)と答えた法人が最も多く、次が「クリアに全く問題なし」(30.7%:453法人)。それに対して、「半分くらい抵触している。かなり改善が必要」(4.5%:66法人)、「大部分抵触している。改善は困難」(1.9%:28法人)、「公益認定申請は考えていない」(2.2%:32法人)と答えた法人は、合わせても全体の1割に満たなかった。
この結果から、公益性の認定に関しては多くの法人が申請を予定していて、現状のままで、あるいは一部改善することで認定が受けられるという認識を抱いていることがわかった。
「公益法人制度改革に関するアンケート」の集計結果は、公益法人協会サイト内、下記に掲載されている。
http://www.kohokyo.or.jp/a_moro03/seido1_kekka.html