行政 : 国交省、「打ち水大作戦」を応援
NPO法人「日本水フォーラム」が中心となって2003年の夏から始まった「打ち水大作戦」が、今年も全国各地で7月23日から8月23日まで実施されている。国土交通省は、下水を処理した下水再生水や一時的に貯留した雨水等を提供することで、各地の「打ち水大作戦」を応援する。
「打ち水大作戦」とは、お風呂の残り湯などを、昔ながらの「ひしゃく」や「じょうろ」を使って「打ち水」することにより、深刻化するヒートアイランド現象による夏の都市の気温を少しでも下げようという試み。日本の伝統的な「打ち水」を復活させることで、環境問題に関する意識の啓発を目指している。
この「打ち水大作戦」は、発展途上国の水不足や先進国の水質汚濁など地球上の水をめぐる諸問題の解決に取り組む、NPO法人「日本水フォーラム」の呼びかけで2003年の夏から始まり、今年が4回目。
「日本水フォーラム」では、「打ち水大作戦」のホームページを立ち上げて「平成版打ち水のイロハ」を提唱。水道水を使うのは禁物で、風呂の残り湯、雨水など生活の中での水の再利用をするという節水の心得、そして実行する際にはカーブの途中、交差点、マンホールの上は自転車やバイクが滑りやすくなるので絶対に水をまかない、という安全面への配慮など、基本的なルールを掲載している。
国土交通省は、この「打ち水大作戦」に対して、下水再生水や一時的に貯留した雨水等を無料で提供して応援するとしている。
同省が積極的に「打ち水大作戦」を支援するのは、ヒートアイランド現象の緩和に散水による蒸散作用の効果が認められているため。
7月21日に同省が公表した「東京都汐留地区における下水再生水の路面散水に関する実験結果」によれば、昨年の8~9月に実施した、保水性舗装道路(舗装材の中に水を蓄えることのできる加工を施した道路)への散水で、路面温度が日中で8℃、夜間で3℃程度低下することが確認されたとのこと。
同省は、各都市の下水道局などとも協力して、各地で開催する「夏休み子ども教室」などに、下水再生水や貯留した雨水を活用した「打ち水」イベントを盛り込み、水の循環の重要性、地球環境の保全などを訴えていきたいとしている。
各地で開催される「打ち水」イベント情報などは、下記の「打ち水大作戦2006」のホームページを参照のこと。
http://www.uchimizu.jp/06/