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2006年09月29日 10:00

行政 : 札幌市、費用対効果で1%支援制度断念

 9月25日、札幌市は、2006年度中の制定を目指している「(仮称)札幌市市民活動促進条例」の素案を公表した。当初導入が予定されていた、個人市民税のうち1%を納税者自身が選んだNPOへの助成金とする、いわゆる「1%支援制度」は盛り込まれなった。上田文雄市長の記者会見によれば、「事務経費などに年間約1億円がかかり、費用対効果に問題があると判断した」ため。

 

 札幌市では、町内会・自治会、NPO、ボランティア団体などによる、さまざまな市民活動への支援策等を盛り込んだ「(仮称)札幌市市民活動促進条例」の制定に向けた準備を進めている。

 この条例は、市民活動の促進に関しての基本理念や、札幌市(行政)の責任や市民団体などの役割を明らかにしながら、札幌市の促進体制の充実や市民活動への支援、市民活動との連携・協働を進めることを目的として策定するもの。平成18年度内の制定を目途としている。

 条例策定にあたり、市は、昨年8月に、学識経験者や公募による市民により構成された「市民活動促進条例検討協議会」を設置。今年5月には、同協議会の10ヶ月にわたる議論の成果をまとめた「市民活動を促進するための条例策定に向けた提言」を今年5月に市長に提出した。

 その中で、いわゆる「1%支援制度」を導入することが提言されていた。この「1%支援制度」は、千葉県の市川市が昨年4月に全国で初めて導入。市民が希望をすれば個人市民税の1%を納税者自身が選んだNPO等への補助金とすることができるというもの。この提言を受けて、札幌市では「1%支援制度」の導入に向けた検討作業を行ってきた。

 しかしながら、9月25日に公表された「(仮称)札幌市市民活動促進条例」の素案に、「1%支援制度」の導入は盛り込まれなかった。

 上田市長は、素案公表に先立つ9月8日の記者会見で、導入断念に至った理由について、「導入後の事務経費を試算したところ、人件費を含めて約6000万円かかかることが判明し、1%の補助金部分の支出の約4000万円を含めると約1億円の支出が見込まれることから費用対効果に問題があると判断したから」と述べている。

 加えて、「直接税金を納めない専業主婦や所得の少ない高齢者などの非納税者がこの制度に参加できないために参加の間口が狭い」という理由もあげた。

 なお、「(仮称)札幌市市民活動促進条例」の素案では、「1%支援制度」に代わる市民活動支援策として、「札幌市市民活動促進基金」の創設が盛り込まれた。

 この基金は、市民や事業者からの寄附の受け皿としての役割をもち、基金からは助成金という形で市民活動の支援に充てられる。素案では、公共施設等に募金箱を設置する、市内の事業所に月給の100円未満の端数を職場ごとに寄付する「端数倶楽部」を結成してもらう、といったことによって寄付を募りたいとしている。

 札幌市は、9月25日より、この「(仮称)札幌市市民活動促進条例」の素案に対する意見募集を開始した。締め切りは10月24日。

 市は寄せられた意見をもとに更に検討を行った後、市議会に条例案を提出し、今年度中に条例を制定したいとしている。

 「(仮称)札幌市市民活動促進条例」の素案と意見募集の詳細は、札幌市サイト内、下記に掲載されている。

 http://www.city.sapporo.jp/shimin/support/jyourei.html

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