行政 : 難民支援を考える日米共同シンポジウム
10月21日、東京で、「日米における難民支援~支援の現状と展望~」と題するシンポジウムが開催される。米国からゲストを迎えて、日米の難民制度やNGOの支援活動を比較し、そこから日本が学ぶべきこと、今後の難民支援の展望について考える。
日本は、1981年に国連の難民条約に加入。それに伴い、出入国管理令を出入国管理及び難民認定法に改正して、難民を受け入れるための制度として、難民認定制度を設けた。
この制度では、自国内での迫害を逃れて海外から来日した難民は、日本政府に対して難民申請を行い、難民として認定されると、難民認定証明書を受け取り、日本に定住することが許される。加えて、永住の資格を得る許可も通常より容易になり、また難民旅行証明書という、パスポートの代わりになる書類が発行される。
日本国内で難民に対する支援活動を行っているNPO法人難民支援協会によれば、2005年に日本に対して難民認定申請をした人は384人。主な出身国は、ミャンマー(ビルマ) 、ベトナム、イラン、カンボジア、ラオスなど。しかしながら、同年に認定を受けたのは、わずか46人。
1982年から、2005年までの累計でも、難民認定申請者の総数は3928人で、そのうち認定されたのは376人。「難民」の定義や制度の違いはあるが、毎年、米国では5~6万人、英国では約2万人の難民を受け入れていることに比べると、日本の難民受け入れ数は他の先進国に比べ極端に少ないとのこと。
こうした現状を踏まえ、10月21日、難民支援協会など日本国内で難民支援に取り組む団体が、国際交流基金日米センターの助成を受けて、日米の難民受け入れ制度を比較し、難民支援に関するNGOの役割について考える日米共同シンポジウム「日米における難民支援~支援の現状と展望~」を開催する。
主催するのは、社団法人アムネスティ・インターナショナル日本、カトリック東京国際センター、全国難民弁護団連絡会議、社団法人日本福音ルーテル社団、NPO法人難民支援協会から構成される「日米交流実行委員会」。
場所は、東京新宿区市谷にある、JICA国際協力総合研修所国際会議場。
当日は、アメリカの難民支援NGO、「International Rescue Committee(IRC)」のスタッフを迎えて、日本で難民支援活動を行っているNGOのスタッフを交えて、日米両国における難民支援の最新情報・現状が話される。
参加するには事前申し込みが必要。資料代500円。定員200名。
申し込み締め切りは10月19日。
日米共同シンポジウム「日米における難民支援~支援の現状と展望~」の詳細と参加申し込みについては、難民支援協会サイト内、下記を参照のこと。
http://www.refugee.or.jp/event/archives/2006/10/post_15.html