行政 : ゼロ金利解除で、NPOへの貸付利率上がる
兵庫県の外郭団体「ひょうごボランタリープラザ」が10月10日から受け付けを開始した「NPO活動応援貸付制度・平成18年度2次募集」の貸付利率が、これまでの1.5%から0.25%引き上げられて、1.75%となった。県は、日銀によるゼロ金利解除後の金利上昇を受け、県の融資制度の利率の引き上げを表明しており、今回のNPO活動応援貸付の利上げもこれに連動したもの。
兵庫県は、平成13年度から、県内で行われているNPO活動のさらなる継続、発展の応援を目的とし、県内のNPOに対し、新規事業の立ち上げや事業拡大など幅広く利用のできる融資制度「NPO活動応援貸付制度」を実施している。
「NPO活動応援貸付制度」では、NPO法人やこれに準じる団体を対象に、設備資金や運転資金として、返済期間最大5年で、50万円から300万円を貸付ける制度。平成17年度末時点では総額4,930万円を18団体に対して融資している。
金利は、発足当初の平成13年度は、年2.0%。平成15年度から引き下げられて、今年度の1次募集までは、年1.5%だった。
7月14日の日銀によるゼロ金利解除後の金利上昇を受け、県は、9月6日に、県の中小企業融資制度の融資利率について、10月1日受け付け分から0.25から0.4%引き上げると発表。その際、中小企業融資制度以外の貸付制度の利率も引き上げる方針を示していた。
この方針に沿って、兵庫県の外郭団体「ひょうごボランタリープラザ」が10月10日から受け付けを開始した、「NPO活動応援貸付制度・平成18年度2次募集」の貸付利率は、これまでの1.5%から1.75%に引き上げられた。
今後、他の自治体や民間金融機関が実施しているNPOを対象とした融資制度においても、ゼロ金利解除を受けて、NPOへの貸付利率が上がることが予想されるが、「ろうきんNPO事業サポートローン」を取り扱う、中央労働金庫営業統括部の山口郁子氏は、「当金庫では、NPO法人向け融資制度には特別金利を設定しており、来年3月末までは現行金利2.375%(無担保)のまま据え置きで運用する予定。当金庫では地域力の向上にNPOの存在は欠かせないと考えている。微力ながら、金融という本来事業を通じてNPOを側面的に支援していきたい。したがって、今年度は市場金利を参考としつつも、あえて独自の金利を設定した。」と語る。
金利の設定や利用条件の背景には、NPOに対する貸し手(金融機関)の姿勢が映し出されているのかもしれない。