行政 : 千葉県、NPOと学校との連携に関する調査
10月12日、千葉県は、県内の国公私立の小中高等学校及び盲・聾・養護学校を対象とした「NPOと学校のとの連携に関するアンケート」の結果を公表。約4分の1の学校が、今までにNPOと関わりを持ったことがあると答え、関わり方については、「総合的な学習など学習の中での関わり」と答えた学校が53.7と過半数を占めた。
NPOは、新しい社会サービスの担い手として、様々な分野で活動を展開しているが、NPOが地域の課題解決に取組むとき、学校など様々な主体との連携が重要。また、学校においても、地域と一体となったきめ細かな教育が求められている。
そこで千葉県は、今年6~7月に、県内すべての国公私立の小中高等学校及び盲・聾・養護学校(計1503校)を対象に、「NPOと学校のとの連携に関するアンケート」を実施した。
この調査の目的は、NPOと学校との連携・協力の実態や意向、具体的な連携事例等を調査・把握して、NPOと学校が連携・協力する環境づくりを促進する施策に反映させること。
千葉県は、10月12日、「NPOと学校のとの連携に関するアンケート」の結果を公表した。
回収結果は、回答率73%。
結果によれば、今までにNPOと関わりを持ったことのある学校は、全体で26.8%と、約4分の1の学校でNPOと関わりを持っていた。学校別に見ると、小学校では31.6%、中学校では16.2%、高校等(高等学校及び盲・聾・養護学校。以下同じ。)では27.4%がNPOと関わりを持っていた。
NPOと関わりを持ったことのある学校294校に、その関わり方を聞いたところ、複数回答で、「総合的な学習など学習の中での関わり」と答えた学校が53.7と過半数を占めた。学校別に見ると、小学校と中学校では「総合的な学習など学習の中での関わり」が最も多く(小学校:57.1 中学校:62.5)、高校等では、「クラブ活動など課外活動における関わり」が41.7で最も多かった。
また、NPOとの連携のきっかけは、複数回答で、「NPOに直接協力依頼をした」が38.1%と最も多く、次いで「NPOから話があった」が35.4%、「保護者や地域の人から話があった」が22.8%の順。学校別に見ると、小学校では、「NPOに直接協力依頼をした」と「NPOから話があった」が、それぞれ34.3%、32.8%とほぼ同数であったのに対し、中学校では、「NPOに直接協力依頼をした」のが45.8%と、半数近くを占めた。また、高校等では、「NPOから話があった」が60.4%で、最も多かった。
関わりを持っていない学校803校に理由を聞いたところ、複数回答で、「NPOのことがよくわからない」が55.8%と最も多かった。次いで、「連携できるNPOが見当たらない」45.2%、「学校内での意思形成がなされていない」24.4%の順。その一方、「学校経営に悪影響が出るのではという不安がある」(1.7)や、「NPOと関わってもメリットはない」(0.6)といったNPOに対するマイナスイメージは少数。学校別に見ても、同様の結果だった。
NPOとの連携の意向としては、「児童・生徒の登下校時の安全確保における連携」について、全体の52.3%が積極的に協力や連携をしたいと回答した。逆に、協力や連携が難しいとしたのは、「空き教室の利用への協力」が70.1%と最も多く、次いで「学校運営協議会等への協力」の53.6%。学校別に見ると、高校等では、小・中学校と比べて、すべての事項において協力や連携することは難しいとする割合が高く、NPOとの連携に消極的だった。
この調査結果では、アンケートの集計結果に加えて、NPOと学校との連携事例19例が紹介されている。
柏市立柏第二小学校とNPO法人スマイルクラブの「特殊学級における体育授業のサポート」の事例では、連携の成果として、「動くことが苦手な児童も積極的に運動をするようになった。」、「特殊学級担任の技能の向上が図れた。」といった点が報告され、今後も継続して連携を図っていきたいという意向が示されている。
千葉県の「NPOと学校のとの連携に関するアンケート」の結果は、同県サイト内、下記を参照のこと。
http://www.chiba-npo.jp/npo_ps/gakkou/gakkoutop.htm