行政 : 東ボラ、協働をテーマに研究年報発行
9月8日、東京ボランティア・市民活動センターは、協働のあり方を提案する「東京ボランティア・市民活動センター研究年報2005 NPOと行政のパートナーシップは成り立つか!?~協働を形にする『事業協働契約』を考える~」を発行した。定価は1,000円(税込)。東京ボランティア・市民活動センターの窓口で販売中のほか、一般書店、ネット上でも購入できる。
東京ボランティア・市民活動センター(Tokyo Voluntary Action Center = TVAC)は、1981年に「東京ボランティア・センター」としてさまざまな分野のボランティア活動の推進・支援を目的として設立され、1998年に現在の名称に変更。
東京ボランティア・市民活動センターは、調査・研究事業の一環として、1981年から毎年、多様なテーマで「東京ボランティア・市民活動センター研究年報」を発行している。これまで取り上げたテーマは、「相談活動」、「まちづくり」、「市民活動推進機関の役割」、「ボランティアコーディネート」など。
今年のテーマは「NPOと行政のパートナーシップ」。
東京ボランティア・市民活動センターによれば、昨今NPOと行政との協働事業が増えている一方で、各地で実施されているNPOと行政の協働では、両者の期待に違いがあり、対等なパートナーシップが尊重されていない例が多く見られることから、協働事業実施の課題点を事例を踏まえて研究し、あるべき協働の形について提案することを目的として、このテーマを設定したとのこと。
「NPOと行政のパートナーシップは成り立つか!?~協働を形にする『事業協働契約』を考える」と題したこの研究年報には、NPO法人の役員や行政担当者などによる4つの論文と、東京ボランティア・市民活動センターが今年1月に開催したシンポジウムの記録、そして協働に関する資料を収録している。
掲載論文は、以下の4本。
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市民と行政との協働に関わる主体性と関係性-「新しい公共性」を市民のものとするために-
瀧澤利行
(東京ボランティア・市民活動センター専門員/茨城大学教授) -
事業委託から考える行政とのパートナーシップ
江尻京子
(特定非営利活動法人東京多摩リサイクル市民連邦事務局長) -
官民協働に関わる財源の特徴と協働契約の展望
椎野修平
(神奈川県県央地域県政総合センター商工労働部長) -
NPOと行政の「協働契約書」の開発普及に向けて
今瀬政司
(特定非営利活動法人市民活動情報センター代表理事)
このうち、東京多摩地域内で活動するNPO法人東京・多摩リサイクル市民連邦の事務局長・江尻京子氏は、同法人によるリサイクルセンターの事業委託を事例として、協働について論じている。
また、NPO法人市民活動情報センター代表理事の今瀬政司氏は、以前から協働契約書の提案など協働に関する積極的な提言を行っている。本書で、今瀬氏は、NPOと行政の「『協働契約書』の開発普及に向けて」と題して、現在の協働の問題点と協働契約のあり方を問い、また、同センターが今年3月に実施した「NPOと行政の『協働契約書』の開発普及に向けたアンケート調査」の速報結果も紹介している。
定価は1,000円(税込)。A5版・全108ページ。
東京ボランティア・市民活動センターの窓口で販売中のほか、一般書店、また同センターのウェブサイトからも購入可能。
この研究年報の詳細は、東京ボランティア・市民活動センターのサイト内、下記を参照のこと。
http://www.tvac.or.jp/news/8554.html