行政 : 佐賀県、「協働化テスト」開始
今年度、佐賀県は、県庁の全業務を対象に、民間が実施した方が妥当な業務について実施主体や手法の見直しを図る、「協働化テスト」に取り組んでいる。同県は、10月20日に県庁の全業務を公開し、その公開内容に基づいて、「県業務の担い手のあり方についての提案」を募集している。締め切りは11月30日。寄せられた提案は検討の上、19年度予算に反映させる。
佐賀県が開始した「協働化テスト」とは、県の全業務を対象に、NPO法人などのCSO(市民社会組織)、民間企業、大学及び行政等が協議、連携しながら、より良い公共サービスを提供していくプロセス。
具体的には、県庁の全業務の目的・内容等を調査して公開、県民と意見交換を行い、事業提案を募り、民間が実施した方が妥当な業務については実施主体や手法を見直しを行う。これら一連の作業を総称して「協働化テスト」と呼ぶ。
この「協働化テスト」に期待されている効果は、県民満足度の向上、民間活力の活用による地域経済の振興、地域の課題解決力の向上、行政(組織、予算)のスリム化。
県は、10月20日に、県庁の全業務について職員が自己点検した調査結果をとりまとめて公表。この公表内容に基づいて、同日より「県業務の担い手のあり方についての提案」を、県内外から募集している。締め切りは11月30日。
県の担当者によれば、現在政府が進めている「市場化テスト(官民競争入札制度)」では、行政と民間との競争でどちらがより安くできるか、という点を重視しているが、「協働化テスト」では、その事業を誰がやるのが市民にとって一番いいのかを判断することに重点を置いているそうだ。
故に、「県業務の担い手のあり方についての提案」募集では、現行の事業をそのまま引き受ける委託先を募るのではなく、コストやサービスの質・範囲を考慮して、県が直接実施するよりも県民にとってプラスになる提案、事業の実施により県民満足度の向上が得られる提案を期待しているとのこと。
また、全国各県でも同様の取り組みはされているが、部分的なアウトソーシングに留まっている場合が多く、このように全ての事業において行うのは佐賀県が初めてだそうだ。
県は、寄せられた提案を検討し、CSO、企業等が実施した方が妥当な業務については、実施主体や方法(委託か、協働かなど)を見直して、その結果を19年度予算に反映させたいとしている。
この提案募集とあわせて、県は広く市民の意見を求めるために、10月末から11月はじめにかけて、県内4ヶ所で、協働化テストについての意見交換会を開催する。
佐賀県の「協働化テスト」の詳細は、同県サイトを参照のこと。