行政 : NPO法見直しに関するパブコメ結果公表
11月14日、内閣府は今年9月に「国民生活審議会総合企画部会NPO法人制度検討員会」がとりまとめた「中間報告」に対する意見募集の結果を公表した。公表された結果によれば、団体、所轄庁、個人などから39通の意見が寄せられたとのこと。
国民生活審議会は、内閣府のもとに置かれ、「重要事項を調査審議」して「内閣総理大臣又は関係各大臣に意見を述べること」を目的としている。
昨年10月7日、第20次(平成17年9月9日~平成19年9月8日)国民生活審議会の第1回目会合としての総会が開催され、NPO法の見直しを検討する「国民生活審議会総合企画部会NPO法人制度検討委員会」が設置された。
この委員会では、昨今のNPO法人制度を濫用した営利目的と見られる活動や詐欺などの違法行為などを背景に、公益法人制度改革における新たな非営利法人制度の枠組みもにらみながら、NPO法人に関する制度の見直しの検討を進めている。
9月11日、同委員会は、「特定非営利活動法人制度の見直しに向けて」と題する「中間報告」を発表。同日から10月13日まで意見募集を行った。
※中間報告の内容は、9月13日のNPOWEBのニュースを参照のこと。
https://www.npoweb.jp/news/news_info.php?article_id=2581
11月14日、内閣府はこの意見募集の結果を公表した。
公表された結果によれば、団体、所轄庁、個人などから39通の意見が寄せられた。意見総数は237。
「中間報告」のそれぞれの項目に対する意見数は以下のとおり。
1.制度見直しの基本的な考え方(21)
(1)制度の意義 0
(2)見直しの背景 0
(3)見直しの基本的考え方 21
2.法人の業務運営のあり方(73)
(1)基本的考え方 7
(2)自律的な組織管理のあり方 15
(3)情報公開の促進と個人情報保護への配慮 26
(4)資金調達の仕組みの充実 13
(5)会計基準及び計算書類のあり方 12
3.法人の認証・監督のあり方(113)
(1)基本的考え方 2
(2)所轄庁の施行事務のあり方 17
(3)認証の基準や手続きの見直し 50
(4)市民の監視機能の強化と監督のあり方 16
(5)個別ケースへの対応のあり方 28
4.制度発展のための環境整備(30)
(1)基本的考え方 1
(2)環境整備に向けた取組み 13
税制・その他 16
もっともたくさんの意見が寄せられた「法人の認証・監督のあり方」の中で、同じ意見が多く寄せられたものは、「定款変更は認証が必要な事項を除き原則届出にすべき。」(6件)、「認証後、登記をしない法人には認証を無効とすべき。」(6件)、「縦覧期間中の軽微な修正が可能となる手続きに賛成。」(5件)、「『10人以上の社員を要する』社員数要件を緩和する必要性はない。」(5件)。
次に多かった「法人業務運営のあり方」に関する意見のうち、同じ意見が多く寄せられたものは、「透明性の確保は非営利公益法人にとって不可欠。インターネットによる情報公開の一層の促進に賛成する。」(5件)、「社員名簿は、所轄庁としては、10名以上の社員がいることを確認する必要があるが、市民監視のための閲覧については、リスクの方が大きいという判断により、閲覧書類から除外して欲しい。」(5件)、「NPO法人に出資ができるようにしてほしい。」(5件)。
他には、「登記のみで設立できる準則主義とすることを希望。」(6件)、「法の趣旨をより明確に伝えるため、名称を『市民活動促進法(NPO法)』に変更して欲しい。」(5件)、「認定NPO法人制度を見直し、NPO法人は原則認定法人若しくは一層の緩和をすべき。」(5件)、といった意見も寄せられている。
意見募集の結果は、「国民生活審議会総合企画部会NPO法人制度検討委員会」の下記ページに、「第10回(平成18年11月1日)議事要旨>配布資料」として掲載されている。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/shingikai/kikaku/20th/npo/