行政 : 民主党、NPO税制改正ヒアリング実施
民主党税制調査会(会長:古川元久衆議院議員)は、平成19年度税制改正に向けた要望について関連団体からのヒアリングを行った。11月22日に行われたNPO法人の税制に関するヒアリングには、シーズ事務局長の松原明が出席し、現在の認定NPO法人制度の改正を要望した。
民主党税制調査会は、来年度の税制改正に向けて、経済、医療、組合など、さまざまな分野の約60団体から要望をヒアリング。このヒアリングは、ひとつひとつの団体ごとに行われる形式。11月22日に行われたNPO税制に関するヒアリングには、シーズ事務局長の松原が出席。民主党からは5人の国会議員が出席した。
はじめに、シーズ事務局長の松原明が、NPO法人に対する支援税制である「認定NPO法人制度」の運用状況について説明し、認定NPO法人制度ができて5年経つが、今年10月末現在、約28000団体あるNPO法人のうち認定NPO法人となっている団体はたったの48団体(全体の0.17%)にすぎないと、この制度の運用が進んでいない現状を述べた。
そして、その理由について、国税庁へ認定申請を行う時に膨大な提出書類の作成が求められ、たとえ認定されても2年目の再認定の時に最初と同様な書類が必要であることから、NPO法人にとって認定を取ることが事務的に多大な負担を強いられてしまうからだと説明。
加えて、NPO法人にとって損金算入枠が小さいため、認定を受けてもあまりメリットがない、さらに、寄付する側にとっても、寄付控除枠が小さく、また地方税における控除がないことから寄付に対する十分なインセンティブになっていない、と指摘した。
その上で、松原は、下記の改正を要望した。
- パブリックサポートをはじめとする認定要件のいっそうの緩和
- 認定申請および毎年の報告書類の簡素化
- 認定を受けた法人の社員名簿の公開措置の廃止
- 認定有効期間(現行2年)の延長と更新手続きを導入すること
- みなし寄附金(現行所得金額の20%が限度)の損金算入枠の拡大をすること
- 寄付金控除枠を拡大する等、寄附者のメリットを拡充すること
- 地方税においても税制優遇措置を実現すること
参加議員との質疑応答では、「国税庁への申請時に、なぜそのように膨大な書類が必要になってしまうのか。」という質問が出た。
それに対して松原は、「申請書類そのものよりも、その内容に対する細かい説明のために要求されるものが多い。一例を挙げると、古着などの寄附に関して、その市場価格を調べるように言われて、古物商などを回って苦労して、市場価格を調べる書類をたくさんつくらされた事例がある。いちいち、証明するための追加書類が膨大に求められている現状だ」と答え、申請書類の簡素化の必要性を重ねて要望した。