行政 : 質問箱リニューアル、NPO法8周年を記念
ＮＰＯ法は、今日、２００６年１２月１日をもって施行８周年を迎えた。シーズは８周年を記念して、ＮＰＯＷＥＢの「なんでも質問箱」をリニューアルした。新しい質問箱は、全文検索ができるようになるなど、以前のものよりいっそう使い勝手が良くなっている。
ＮＰＯ法は、１９９０年代初頭から立法の必要性が社会的に議論されるようになり、１９９４年１１月に、ＮＰＯ法の立法を目的として「シーズ＝市民活動を支える制度をつくる会」が設立された。
１９９５年１月に起こった阪神・淡路大震災でボランティア活動支援の重要性が高まり、政府や与野党で立法についての検討が始まった。
１９９６年１２月には、「市民活動促進法案」として、当時の与党３党（自民、社民、さきがけ）が議員立法として国会に提出。１９９８年３月に参議院で、名前を「特定非営利活動促進法案」に変えるなどの修正後、３月１９日に成立。３月２５日に公布され、１９９８年１２月１日に施行された。
この立法にあたっては、シーズをはじめとする多くの市民団体が各地で集会を開き、市民側の法案を提示。国会議員と協議しながら立法を進めていったことから、「市民＝議員立法」とも呼ばれている。
内閣府の発表では、２００６年１０月末時点で、認証を受けているＮＰＯ法人の数は、２９２０３法人。近々法人数が３万を突破するとみこまれており、ＮＰＯ法人は社会に定着したと言える。
その一方で、昨今のＮＰＯ法人制度を濫用した営利目的と見られる活動や詐欺などの違法行為など、ＮＰＯ法人への信頼性を揺らがす事案も生じている。
こうした状況を背景に、政府は、昨年１０月に、「国民生活審議会総合企画部会ＮＰＯ法人制度検討委員会」を設置して、現在、ＮＰＯ法人に関する制度の見直しの検討を進めている。
シーズでは、ＮＰＯ法施行８周年を記念して、ＮＰＯＷＥＢの「なんでも質問箱」をリニューアルした。
「なんでも質問箱」は、ＮＰＯについて勉強している学生から、事務局運営に苦労している現場のスタッフまで、ＮＰＯについて知りたいことのある全ての人が活用できる掲示板。質問を書き込むと、数日以内に、シーズのスタッフ、弁護士、公認会計士、税理士などの専門家が回答を書き込む。１９９９年１２月２０日開設以来、今日までに６９００を超える書き込みがあった。
リニューアルによって、本文を含めた全文検索ができるようになり、いっそう使い勝手がよくなった。さらに、最新の投稿があったスレッドが一番上に表示されるように改良。ページのインデックスも示されて、ページ移動がスムーズにできるようになった。
シーズ事務局長の松原明は、以下のように、ＮＰＯ法施行８周年を迎えた所感と、これまで「なんでも質問箱」を支えてきてくれた協力者に謝意を述べた。
「ＮＰＯ法は、市民側から提案して、議員と一緒になってつくりあげていった法律だ。施行から８年を迎え、ＮＰＯ法人の数が３万を超えようとしている現在、ＮＰＯ法人制度はしっかりと社会に根付いてきているといえることは、大きな喜びだ。
シーズの「なんでも質問箱」は、このようなＮＰＯ法ができて間もない１９９９年年末に、まだ、十分知られていないＮＰＯ法の運用に関する知識や悩みを広く共有する中で解決し、ＮＰＯのしっかりした活動を支えようという目的で開設したものだ。
その後、多くのボランティアの税理士・公認会計士・弁護士などの方々に支えられて、約７千近くの質疑応答が行われ、多くのＮＰＯを運営したり、関わったりした方々の活動の一助になれたのではないかと思う。また、その質疑応答が、さらに多くの人々の活動の参考になっていることと思っている。難しい質問に、献身的に回答やご意見を寄せていただいた方々に感謝するとともに、質問をしていただいた方々にもお礼を述べたい。
シーズでは、この質問箱をさらに使い勝手を良くし、ＮＰＯに関わる人々の共有財産として、今後もしっかり運営していきたい。」
