行政 : 千葉県、7割のNPOが団塊の世代に期待
昨年12月14日、千葉県は、「定年退職期を迎える団塊の世代の人たちや高齢者による社会貢献活動に関する調査」の結果を発表した。この調査は、定年退職期を迎える団塊の世代の人たちの地域活動等への参加を促進するため、県内のNPO法人等の人材受け入れの意向や、市町村等の取組状況を調査したもの。結果では、約7割のNPOが、団塊の世代を含む50歳以上の人の受け入れに前向きであることが明らかになった。
千葉県高齢者福祉課によると、大量退職時代を迎える団塊の世代(昭和22年~24年生まれ)は、県内で約34万人。
そこで、県は、昨年8月に、団塊の世代の人たちの地域活動等への参加を促進するため、県内のNPO法人等の人材受け入れの意向や市町村等の取組状況を調査した。
この「定年退職期を迎える団塊の世代の人たちや高齢者による社会貢献活動に関する調査」の対象は、NPO法人・任意団体1193団体(NPO法人1046団体、任意団体147団体)と、市町村・社会福祉協議会113団体(56市町村、千葉県社会福祉協議会・56市町村社会福祉協議会)。
調査内容は、NPO法人・任意団体に対しては、団体の活動内容やスタッフの受け入れ希望等について、市町村・社会福祉協議会に対しては、NPO等の情報提供や地域活動への参加等に対する支援策等について。
この調査に対して、448のNPO法人・任意団体(回収率37.6%)と、113の市町村・社会福祉協議会(回収率100%)から回答が得られた。
昨年12月14日に公表された調査結果では、NPO法人・任意団体に対する調査で、スタッフやボランティアとして新たに50歳以上の人の「受け入れを考えている」と回答した団体は305団体(68.1%)。7割近くの団体が団塊世代の受け入れに前向きであることが明らかになった。
また、人材受け入れの希望について、性別・年齢ともに、「不問」と答えた団体が最も多く、性別の「不問」は、370団体(82.6%)、年齢の「不問」は、341団体(76.1%)となっている。
受け入れる人材については、複数回答で、「活動意欲」を求める団体が293団体(65.4%)と最も多く、次いで「協調性」が272団体(60.7%)、「責任感」が231団体(51.6%)となっている。
市町村・社会福祉協議会に対する調査結果では、「地域のNPO法人の活動情報等を住民に提供しているか」という質問に対して、市町村では、27市町村(48.2%)が活動情報等を地域住民へ「提供している」と回答しているのに対し、25市町村(44.7%)が「提供していない」と回答。また、社会福祉協議会では、13団体(22.8%)が活動情報等を地域住民へ「提供している」と回答しているのに対し、41団体(71.9%)が「提供していない」と回答している。
団塊の世代等の地域活動への参加等に対する支援策等については、「実施している」と回答した市町村が11市町村(19.6%)で、「検討中」は15市町村(26.8%)となっている。また、「実施している」と回答した社会福祉協議会が19団体(33.3%)、「実施予定である」が4団体(7.0%)、「検討中」は15団体(26.3%)。
なお、実施している支援策については、シニア世代が地域活動に参加するための情報提供や相談窓口の開設、これから地域活動を始めたいという方を対象にした講演会やセミナーの開催、ボランティア団体等において地域活動を体験できるインターンシップの実施、等の回答が多かった。
県では、この調査結果をもとに、市町村、社会福祉協議会及びNPO等と連携を図りながら、団塊の世代等が地域の担い手としての能力を発揮する場の環境づくりを進めていきたいとしている。
「定年退職期を迎える団塊の世代の人たちや高齢者による社会貢献活動に関する調査」の結果については、千葉県サイト内、下記に掲載されている。
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_koufuku/dankai_chousa.html