行政 : 鹿児島、栃木、新潟、宮崎4県も権限移譲
4月1日から、鹿児島県、栃木県、新潟県、宮崎県において、県内の一部市町村に対して、NPO法人の設立認証、届け出、認証取消し等の事務権限が移譲される。NPO法に係る事務の権限移譲は、一昨年の静岡県、昨年の佐賀県、岩手県に続くもの。
NPO法では、NPO法人の所轄庁は、その事務所が所在する都道府県の知事であるとされ(NPO法第9条第1項)、例外的に、二つ以上の都道府県の区域内に事務所を設置するNPO法人の所轄庁は、内閣総理大臣とされている。(同条第2項)
NPO法人の所轄庁の事務権限については、平成17年4月に静岡県が静岡市へ移譲。平成18年4月には岩手県が一関市に、同年6月には佐賀県が唐津市、鳥栖市、伊万里市、鹿島市の4市に権限を移譲している。
今年4月1日には、鹿児島県、栃木県、新潟県、宮崎県においても権限が移譲される。
具体的には、鹿児島県では、県内の鹿屋、霧島、薩摩川内3市に対して移譲。栃木県では、栃木市、日光市、茂木町、大平町、藤岡町、岩舟町及び那須町に移譲。新潟県では新潟市に、宮崎県は宮崎市と都城市に対して、NPO法に係る事務の権限移譲が行われる。
移譲する事務の内容については、それぞれの県が条例で事務項目を定めているが、いずれの県もNPO法に係る全ての事務を移譲しているとのこと。
【参考】
権限移譲とは、全国的に進められている地方分権を実現する手段の一つ。地方自治法第252条の17の2によって、法令上都道府県の仕事となっている事務のうち、都道府県が市町村との協議の上、市町村が行うべきと判断されたものについては、条例を定めることによって、市町村がその事務を行えるとされている。
昨今、地方分権化、市町村合併による市町村の規模拡大の動きの中で、住民サービスの向上、行政効率の向上、地域の実情に即した市町村行政の推進に向けて、知事の権限に属する事務の市町村への移譲が進んできている。
なお、内閣府によれば、NPO法における権限移譲は、あくまでもNPO法に係る「事務権限の移譲」であり、認証書が市長名や町長名で発行されていても、その「所轄庁」は、これまで通り各々の都道府県知事であることに変わりはないとしている。
シーズの調べでは、認定NPO法人制度に関して、「租税特別措置法施行令」で定められている、認定申請の際に必要な証明書(法令違反をしていない旨の証明)の発行事務については、移譲している場合と、移譲していない場合(佐賀県と宮崎県)がある。これに関して、移譲している各県に確認したところ、いずれも、まだ認定申請事務が発生していないため実例がないが、移譲先の市や町が証明書を発行し、それに、所轄庁としての「進達書」(下からの受付書類を上級官庁に送達する場合に発する文書)などを添えて国税庁に提出することを予定しているとのこと。