行政 : 「公益認定等委員会」の委員決定
2月21日の参議院本会議で、公益法人制度改革により内閣府に新設される「公益認定等委員会」委員の人事案件が上程され、雨宮孝子明治学院大学大学院教授、出口正之国立民族学博物館教授など7名の任命について同意の決議がなされた。4月1日には、内閣総理大臣により同委員会委員に正式に任命される予定。
昨年6月2日に公益法人制度改革関連3法が公布され、剰余金の分配を目的としない社団及び財団は、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により簡便に法人格を取得することができる「一般社団法人」及び「一般財団法人」となることになった。
そして、「一般社団法人」及び「一般財団法人」のうち、公益性が認定された法人については、「公益社団法人」、「公益財団法人」として適切な税制上の措置が講じられるとされている。
この公益性の認定は、内閣府に設置される「公益認定等委員会」、または各都道府県に設置される「合議制の機関」が行う。
具体的には、2つ以上の都道府県の区域内に事務所を設置する法人、公益目的事業を2つ以上の都道府県の区域内において行う旨を定款で定める法人、国の事務又は事業と密接な関連を有する公益目的事業であって政令で定めるものを行う法人は、内閣府に新設される「公益認定等委員会に申請。その他の法人は各都道府県に設置される「合議制の機関」に申請して認定を受ける。
2月20日、衆議院本会議で、公益法人制度改革により内閣府に新設される「公益認定等委員会」委員の人事案件が上程され、原案通り、下記の7名の任命について同意の決議がなされ、21日の参議院本会議においても同意の決議が行われた。
- 雨宮孝子(明治学院大学大学院教授)
- 池田守男(資生堂相談役)
- 大内俊身(元東京高等裁判所民事部総括判事)
- 佐竹正幸(日本公認会計士協会常務理事)
- 袖井孝子(お茶の水女子大学名誉教授)
- 出口正之(国立民族学博物館教授)
- 水野忠恒(一橋大学大学院教授)
この7名は、4月1日に内閣総理大臣により同委員会委員に正式に任命される予定。
2月20日の衆議院での決議を受け、太田達男公益法人協会理事長は、「公益認定等委員会委員内定に際して」を発表。「民間の団体が自発的に行う公益活動を奨励し、支援するための制度改革であるという今回の改革の目的実現に向けて、委員各位が、あらゆる勢力や権益からも独立的、中立的に、常に市民の立場と視点に立って今後の公正妥当な認定業務の運営にあたられるよう期待いたします。」と述べている。
このステートメントは、公益法人協会サイト内に掲載されている。
なお、各都道府県に設置される「合議制の機関」については、昨年9月21日に、その組織及び運営の基準を定める政令が公布されている。この政令については、下記の、9月25日付NPOWEBのニュースを参照のこと。
https://www.npoweb.jp/news/news_info.php?article_id=2590