行政 : 首相施政演説、再チャレンジ税制をアピール
安倍首相は、1月26日、国会で施政方針演説を行い、「障害者、高齢者、女性などの再チャレンジを支援する民間企業等への寄附金について、税制上の優遇措置を講じます。」と延べ、寄附税制拡大に向けた姿勢を示した。
1月26日、安倍晋三内閣総理大臣は、第166回国会(通常国会)の開会式後の衆・参両院の本会議で、総理就任後初めての施政方針演説を行った。
「施政方針演説」とは、行政の長である内閣総理大臣(首相)が、通常国会において、今年一年の、主に内閣全体としての基本方針を表明するもの。首相の演説には、他に、臨時国会や特別国会などの冒頭に行われる「所信表明演説」があるが、これは、首相個人の政治姿勢などが述べられるものとされている。
安倍首相は、昨年の所信表明演説で、NPOに関して、「活力に満ちたオープンな経済社会の構築」とした章の中で、「NPOなど『公』の担い手を支援し、官と民との新たなパートナーシップを確立します。」と述べていた。
26日の安倍首相の施政方針演説は、「日本を、21世紀の国際社会において新たな模範となる国にしたい」との決意から始まり、1)成長力強化、2)「チャンスにあふれ、何度でもチャレンジが可能な社会」の構築、3)魅力ある地方の創出、4)国と地方の行財政改革推進、5)教育再生、6)「健全で安心出来る社会」の実現、7)主張する外交、と続く。
その中で、NPOに関連する発言は、以下の3箇所。
まず、「2)『チャンスにあふれ、何度でもチャレンジが可能な社会』の構築」の項で、「障害者、高齢者、女性などの再チャレンジを支援する民間企業等への寄附金について、税制上の優遇措置を講じます。」と延べ、寄附税制拡大に向けた姿勢を示した。
次に、「6)健全で安心出来る社会の実現」の項では、「児童相談所、警察、学校、NPOなどが連携して、子どもを虐待から守る地域ネットワークの市町村への設置を進めます。」、「全国各地域の防犯ボランティアのパトロールなどの活動を支援するとともに、本年春までに『空き交番ゼロ』を実現するなど『世界一安全な国、日本』の復活を目指します。」と発言。安全・安心な社会づくりにNPOなどが果たす役割に言及している。
さらに、「7)主張する外交」においては、「依然厳しい状況が続くイラクについては、航空自衛隊の支援活動やNGOとも連携したODAの活用により、我が国としてふさわしい支援を行ってまいります。」と述べた。
第166回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説の全文は、首相官邸のホームページ、下記に掲載されている。
http://www.kantei.go.jp/jp/abespeech/2007/01/26sisei.html