行政 : 中教審答申、NPO支援税制の促進を提言
1月31日、公開された中央教育審議会の答申「次代を担う自立した青少年の育成に向けて-青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促す方策について」の中で、青少年団体の組織基盤の強化に関して、NPO法人などに適用される税制優遇措置の活用促進の必要性が述べられている。
中央教育審議会は、教育・学術・文化に関する基本的重要施策につき調査・審議し、また建議する目的で文部科学省に設置されている。
平成17年の6月、中央教育審議会は文部科学大臣から「青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促す方策について」の諮問を受け、青少年の意欲を高めるために重視すべき視点についてと青少年の意欲を高めるための方策についての二つの事項を中心に検討を行ってきた。
1月31日、中央教育審議会は全3章からなる「次代を担う自立した青少年の育成に向けて-青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促す方策について」と題する答申書を提出し、公開した。
この答申の「第3章 青少年の意欲を高め、心と体の相伴った成長を促すために-重視すべき視点と方策-」のなかで、NPO法人への税制優遇について言及している。
具体的には、青少年の育成のためには地域における青少年団体の活動が重要だとされ、それらの団体の組織基盤の安定のために、NPO法人や公益法人への税制優遇の活用促進の必要性が述べられている。
答申の第3章の該当部分は以下の通り。
また,各地域において様々な青少年団体が活躍しており,青少年に様々な体験活動の機会を提供するとともに,地域での異年齢交流や異世代交流の機会を提供し,青少年がこれらの活動を通じて地域に愛着を感じ地域社会へ参画・貢献する意欲を高めるよう支援している。
多様な人々との交流が自己を客観視できる力や社会性を培うことから,より多くの青少年が地域の青少年団体に参加するなどして多様な交流体験を積むことが大切である。一方,少子化等の影響もあり,各青少年団体においては会員数等の減少傾向が続き,その多くが将来に不安を抱えている。このため,青少年団体については,より多くの青少年が団体での活動を通じた成長の機会を得られるよう,青少年の参加を促すとともに,青少年の現代的課題に対応した魅力ある活動を提供したり,少人数でも行える教育効果の高い活動プログラムを開発するなど,各地域の現状に対応しつつ活動の充実を図ることが望まれる。また,各団体の活動の充実を図る上で組織基盤が安定していることは不可欠であり,「子どもゆめ基金」をはじめとした民間団体への助成事業の充実を図ることや,特定非営利活動法人(NPO法人)(注16)や公益法人に適用される税制上の優遇措置の活用を促すこと等を通じて,青少年団体の育成に向けた取組を推進する必要がある。
「次代を担う自立した青少年の育成に向けて-青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促す方策について」は、文部科学省サイト内、下記に掲載されている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/07020115.htm