行政 : 約8割の人が継続的な社会活動はせず
独立行政法人労働政策研究・研修機構は、昨年12月に、就業と生活、社会活動の状況などを把握し、労働に関する政策研究に広く活用することを目的として、「就業・社会参加に関する調査」を実施。3月30日に報告書を公開した。最近1年
程度続けて行っているボランティア活動などの社会活動については、約8割の人が「行っていない」と答えている。
独立行政法人労働政策研究・研修機構では、就業と生活、社会活動の状況などを把握するための基礎的調査としてアンケート調査「就業・社会参加に関する調査」を定期的に行うこととし、昨年12月に、その第1回を実施した。
調査の対象は、全国の満20歳以上65歳以下の男女4,000人。
対象者の抽出は、住民基本台帳又は選挙人名簿から行った。
回答状況は、有効回答数2,274人(56.9%)。
3月30日に公開された報告書によれば、最近1年程度続けて行っている社会活動についてきいたところ、「いずれの活動も行っていない」とする者の割合が就業者で8割弱(76.7%)、無業者でも約8割(78.1%)と最も高かった。
「行っている」と答えた者にその内容をたずねた問いに対しては、就業者、無業者ともに「地域活動(町内会、自治会、PTA等。ボランティア活動、NPO団体における職員としての活動を除く。)」を挙げる者の割合が最も高く(就業者19.0%、無業者17.1%)、次いで、「ボランティア活動(NPO団体におけるボランティア活動を含む。)」(同5.9%、同6.8%)、「NPO団体における職員(有給)としての活動(ボランティア活動を除く。)」(同0.5%、同0.3%)の順。
最近1年程度続けて行っている社会活動として「地域活動」や「ボランティア活動」を挙げた者に、その活動の目的をきいたところ、複数回答で、就業者では、地域活動、ボランティア活動のいずれについても、「人の役に立ち、社会や地域に貢献するため」を挙げる者の割合が最も高かった(地域活動48.9%、ボランティア活動60.4%)。次いで、地域活動では「活動への参加が奨励または義務付けられているため」(41.2%)、ボランティア活動では「活動目的に共感したため」(35.6%)。
一方、無業者では、地域活動、ボランティア活動のいずれについても、「人の役に立ち、社会や地域に貢献するため」を挙げる者の割合が最も高く(地域活動46.9%、ボランティア活動71.8%)、次いで「仲間や友人の輪を広げるため」(同44.9%、同5.9%)。
就業者のうち、ボランティア活動を行っている者に、ボランティア活動を行う上で問題となることをきいたところ、複数回答で、「仕事が忙しくて時間がない」を挙げる割合が31.7%で最も多く、次いで「家事・育児・介護等が忙しくて時間がない」(8.9%)。しかしながら、「特に問題や理由はない」とする者も43.6%あった。
また、ボランティア活動を行っていない就業者に、その理由をきいたところ、複数回答で、「仕事が忙しくて時間がない」が40.9%と最も高く、次いで「参加の機会に関する情報が不足している」(15.1%)、「家事・育児・介護等が忙しくて時間がない」(11.4%)など。
一方、無業者のうち、ボランティア活動を行っている者に、ボランティア活動を行う上で問題となることをきいたところ、複数回答で、具体的な理由として「家事・育児・介護等が忙しくて時間がない」を挙げる割合が最も高く(15.4%)、次いで「健康・体力に自信がない」(12.8%)、「活動場所が近くにない」(12.8%)などだった。「特に問題や理由はない」とする者も35.9%あった。
また、ボランティア活動を行っていない者に、その理由をきいたところ、複数回答で、「家事・育児・介護等が忙しくて時間がない」を挙げる割合が最も高く(25.6%)、次いで「健康・体力に自信がない」(22.1%)「参加の機会に関する情報が不足している」(12.4%)などであった。
「就業・社会参加に関する調査」の報告書は、独立行政法人労働政策研究・研修機構のサイト内、下記に掲載されている。
http://www.jil.go.jp/institute/research/2007/031.htm