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2007年04月18日 10:00

行政 : 経団連、少子化問題への提言発表

 3月20日、社団法人日本経済団体連合会(御手洗冨士夫会長)は、「少子化問題への総合的な対応を求める」と題する提言を公表し、政府・与党などの関係者に提出した。提言書では、出産退職者に対する再就職支援の拡充について、「官民の職業訓練機関、地域やNPO等が実施する各種講習などの費用を助成する仕組みを創設する」必要があるとしている。

 

 3月20日に社団法人日本経済団体連合会(以下、日本経団連)が公開した「少子化問題への総合的な対応を求める」は、少子化問題に対する国全体としての共通認識と新しい社会づくりの方向性を示した上で、その解決に向けて、企業、政府、国民1人ひとりが取り組むべき事項を取りまとめたもの。

 提言書では、はじめに、少子化問題に対する国全体としての共通認識として、以下の4つの視点を提示している。

  1. 子どもは、わが国の将来を支える、「社会の宝」である。

  2. 少子化のこれ以上の進行は、将来の経済活力の維持、社会保障の持続可能性、地域コミュニティの形成・維持など健全な経済社会の発展にとって、深刻な影響を及ぼす。

  3. 資源の乏しいわが国にとって、かけがえのない子どもを、国全体として責任をもって、自立した人材に育てていくことによってしか、日本の国際的地位は守れない。

  4. 財政、社会保障、教育など国の基本問題を先送りせず、親が子どもに自信を持って、将来の夢と希望を語ることのできる社会を作りあげていかなければならない。

 これらを踏まえた新しい社会づくりの方向性として、(1)子育てに優しい社会づくり、(2)柔軟で再チャレンジ可能な社会づくり、(3)国全体で人材を育てる社会づくり、の3つを指摘。

 その上で、企業はワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)に主体的に取り組み、政府は幅広い少子化対策を推進し、国民1人ひとりは意識改革を進めていくという役割分担を明確にすることとしている。

 提言書では、新しい社会づくりの方向性としての「(2)柔軟で再チャレンジ可能な社会づくり」の項で、NPOに期待される役割が盛り込まれている。

 まず、出産によってキャリアが中断した女性が転職・復職しやすい環境を整えるために、「地域やNPO等の就労支援の取組みと連携して、職業紹介や就労支援の選択肢を充実し、労働市場の需給調整機能を強化していくことが求められる」と提言。

 その具体的な方策としては、出産退職者に対する再就職支援の拡充について、「官民の職業訓練機関、地域やNPO等が実施する各種講習などの費用を助成する仕組みを創設する」必要があるとしている。

 さらに、職業訓練、就労支援策の拡充のためには、「教育機関、官民の職業訓練機関、地域やNPO等と企業が連携したキャリア教育の充実を図るとともに、民間活力を積極的に活用し、職業能力開発に関する情報提供や教育訓練の内容を充実する」ことを求めている。

 最後に提言では、国民1人ひとりの意識改革、国民運動に向けて、(1)地域社会の一員として子育てを応援すること、(2)職場・家庭を通じた男女共同参画を推進すること、(3)自ら生き方、働き方を問い直すこと、(4)子育て支援に取り組む企業を応援すること、(5)子どもを持つこと・子育ての素晴らしさを伝えること、の5点を指摘し、国全体で新しい社会づくりに取り組むことの重要性を訴えている。

 「少子化問題への総合的な対応を求める」は、経団連のサイト内、下記に掲載されている。

 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/018.pdf

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