行政 : 「成年後見制度」の紹介冊子を実費配布
認知症などで判断力が低下した人たちの財産管理などを行えるようにする「成年後見制度」の紹介冊子を、今年3月にNPO法人ユニバーサル・ケア(京都市下京区)が作成。現在、希望者に送料のみの実費で配布している。
NPO法人ユニバーサル・ケアは、平成16年11月10日に、京都府よりNPO法人設立の認証を受け、同年12月より『京都「成年後見」支援センター』の名称で活動を開始している。
平成18年6月に、京都駅前に成年後見常設相談所を開設したのを機に、「市民後見センターきょうと」と呼称を変更し、成年後見制度の普及、制度を利用する市民および家族・親族後見人の支援、法人としての成年後見人等の引受などを中心に、活動を続けている。
成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神的疾病などにより判断能力が十分でない人の財産管理や身上監護を、代理権や同意権・取消権が付与された成年後見人等が行う仕組みとして、介護保険制度と同時に、平成12年4月1日からスタート。
成年後見制度には、家庭裁判所が成年後見人等を選任する「法定後見」とあらかじめ本人が任意後見人を選ぶ「任意後見」がある。
「法定後見」は判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」があり、また、「任意後見」は、本人の判断能力が十分なうちに、任意後見受任者と契約を結び、判断能力が不十分な状況になったときに備えるもの。
家庭裁判所で後見人が決定すると、後見人は審判書に記載された財産管理や身上監護といった職務を行う。そしてその旨の登記は東京法務局にある後見登記ファイルに記載される。
高齢化社会の中で、さらに少子化や離婚の増加を背景に、身寄りのない高齢者や一人暮らしのお年よりが増加し、また障害のある子を抱える親が自分が高齢になったときの子どもの将来を案じるなど、成年後見制度の必要性は高いものとなっている。
一方、NPO法人ユニバーサル・ケアによれば、「成年後見制度」は介護保険とともに、わが国の高齢社会を支える車の両輪と位置づけられ、関係方面の大きな期待を受けながら発足し既に7年を経過したものの、いまだ一般の関心が低く、制度の利用者数も低迷しているとのこと。
そこで、同法人は、成年後見制度解説の冊子「もっと身近に! 成年後見」を今年3月に作成。1万部作成されたこの冊子は、A4版で10ページ。現在、希望者に無料で配布している。(ただし送料は実費負担)
ユニバーサル・ケアの事務局は、「この冊子の中では、法律用語、専門用語を極力排し、平易な言葉を使用して、図解を交えながら分かり易く成年後見制度を説明しているので、気軽に手に取っていただき、冊子タイトルのとおり成年後見制度をもっと身近なものに感じていただくことを強く望んでいる。」としている。
「もっと身近に! 成年後見」の詳細、申し込み方法などは、同法人のサイト内、下記を参照のこと。
http://www.kyoto-koken.net/news.html#n14