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2007年05月18日 10:00

行政 : 協働時には適切な人件費負担を

 内閣府は、平成18年度市民活動団体基本調査として「特定非営利活動法人と官とのパートナーシップに関する調査」を実施。その調査結果を4月27日に公表した。官との連携・協働に際してのNPO側からの要望では、6割のNPOが「人件費を理解して適切な経費を負担して欲しい。」と答えた。

 

 内閣府が18年度に実施した「特定非営利活動法人と官とのパートナーシップに関する調査」の目的は、昨今、NPO法人に対して「公」の担い手の役割が期待され、NPO法人と行政の連携・協働事例が増えるなか、その実態や意識を調査して、あるべきNPO法人と行政との連携・協働に向けての政策立案の基礎資料とすること。

 この調査はアンケート調査と、ヒアリング調査によって実施された。

 実施期間は、アンケート調査が、平成19年1月23日から2月20日。ヒアリング調査が、平成19年3月5日から3月16日。

 アンケート調査は平成18年3月までに設立認証されたNPO法人のうち、無作為抽出した3000法人に調査票を郵送。1019法人から回答を得た(回答率:34.0%)。

 また、ヒアリング調査はアンケート調査において前事業年度に行政からの資金を受け入れたと回答した法人のうち10法人とその法人に資金提供した地方公共団体のうち10団体を対象として行われた。

 4月27日に公表されたアンケート調査の結果では、過去2年間において行政と連携・協働して行った活動があったのが76.2%。複数回答でその内容を問うたところ、もっとも多かったのが「法人の行う活動に対し、行政から(補助金や委託費等)を受けた」(36.2%)。続いて「行政が行う事業の企画立案に参加した」(30.5%)、「行政との共催の行事を実施した」(27.9%)。その一方で「行政との具体的な関係はない」と回答した法人も約4分の1に上った(23.8%)。

 行政と連携・協働した活動のメリットについては、複数回答で、「法人の設立目的に沿った活動が広がる」(60.3%)と、「法人の活動に対する認知度が上がる」(60.0%)が6割にのぼり、ついで「行政との距離が短縮できる」(43.2%)、「法人の活動だけでは難しかった地域・社会の課題解決や市民に有益なサービスの提供ができる」(39.5%)。

 行政と連携・協働した活動の問題点としては、複数回答で「行政側からの資金負担が少なく、NPO側の経済的負担が大きかった」が26.1%。他方、「問題と感じたことは特段ない」と答えた法人も22.9%。「これまで行ったことはない」と回答した法人も12.9%あった。

 行政からの資金(補助金・助成金、委託事業費など)の受け入れに関する法人の考えは、「これまでも受け入れており、今後も受け入れたい」(49.1%)、「これまでは受け入れていなかったが、今後は受け入れたいと考えている」(36.1%)と受け入れに前向きな団体が8割以上いることがわかった。

 前事業年度に行政からの補助金・助成金を受けた法人に対して、問題に感じた点を複数回答で問うたところ、「特段の問題を感じなかった」と答えた法人が最も多かったものの(31.6%)、問題点として「手続きが煩雑であった」(27.6%)、「資金の用途の限定が実施上の障害となった」(20.4%)といった点があげられている。

 行政と連携・協働した活動について。国や自治体に対する要望をたずねたところ、複数回答で「NPOにおいても人件費等の経費がかかることを理解し、適切な経費を負担して欲しい」と回答した法人がもっとも多く(58.8%)、次いで「行政とNPOが対等な関係での取り組みであることを理解して欲しい」(30.3%)、「連携・協働に関して、内容や決定過程等の情報を積極的に公開して欲しい」(22.4%)の順となった。

 ヒアリング調査では、NPO法人と行政の間に意見の相違があったケースとして、「委託事業と補助事業の違いについての理解」が紹介されている。

 このケースでは、NPO法人側は「現在、受託している委託事業は本来は市が行うべき事業であるにもかかわらず、法人の負担が大きすぎる。」、「運営資金の確保、行政からの事業を継続しないと法人自身の信用の失墜の恐れがあることから、委託事業を現状のまま継続していかなければならない。」との意見。他方、行政側は「本事業は法人には委託事業と認識されているが、委託事業ではなく、補助金交付事業として市から補助金支給が行われている。」、「NPO法人には、自ら実施している事業について、補助事業か委託事業の区別が理解されにくい。」という意見が出された。

 平成18年度市民活動団体基本調査報告書「特定非営利活動法人と官とのパートナーシップに関する調査」は、内閣府NPOホームページ内、下記に掲載されている。

 http://www.npo-homepage.go.jp/data/report22.html

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