行政 : 稲城市、介護支援ボランティア制度導入
5月1日、東京都稲城市は、高齢者が行うボランティア活動について、その実績に応じて介護保険料を軽減する制度を導入すると発表した。
稲城市は、昨年6月に、特区制度のもとで、「介護支援ボランティア特区(仮称)」の提案を内閣官房へ提出。高齢者の介護支援ボランティアに対して介護保険料を控除する制度の創設を要望してきた。
しかし、昨年12月、厚生労働省は、当面はこれに関する制度改正は行なわないことと決定。厚生労働省によれば、積極論もあった一方で慎重論も強かったとのこと。
慎重論のなかには「介護保険では現金給付を行なっていないが、この制度は現金給付を想起させる」、「ボランティアは、対価的な性格のものではない。この制度ではボランティアの意義がうすれる」、「ボランティアとして参加できない高齢者もおり、こうした人たちにシワ寄せがいく」などの意見があったという。
しかし、協議を重ねた結果、4月26日、最終的に「介護支援ボランティア特区(仮称)」の提案趣旨が認めることとなり、厚生労働省介護保険課長は、稲城市長と、次の2事項を確認した。
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稲城市の要望を踏まえ、一定の社会参加活動をした者に対し、活動実績に応じて、実質的に保険料負担が軽減できるシステムを導入する。
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具体的には、介護保険法に基づく「地域支援事業交付金」を活用することが可能である旨を明示した厚生労働省老人福祉保健局介護保険課長及び振興課長通知を発出する。(全国展開)
これを受けて、稲城市は、5月1日に緊急記者会見を開き、全国に先駆けて、同市が高齢者の介護支援ボランティア活動に絡めた介護保険料の軽減制度を実施していくことを表明。今後、稲城市では、厚生労働省その他の関係機関などとの調整を行い、具体的な仕組みづくりについて検討していくとのこと。
稲城市の「介護支援ボランティア制度」導入については、これまでの経緯なども含めて、同市サイト内下記を参照のこと。
http://www.city.inagi.tokyo.jp/kurashi/fukushi/kaigohoken/tokku/