行政 : 経済同友会、認定要件緩和を提言
4月23日、社団法人経済同友会は、「社会のために皆が願いを込めて納める税制への改革」と題する提言書を発表した。提言書では、NPO法人の支援税制について、受入寄附金の公益性判断基準など寄付税制の適用認定を緩和する必要があるとしている。
4月23日に社団法人経済同友会が発表した提言書、「社会のために皆が願いを込めて納める税制への改革」では、まず我々が暮らし、次の世代に引き継いでいくべき日本について、「持続可能で活力に溢れ、将来に希望が持てる社会」と表現。
その上で、目指す社会の姿を実現するために必要な改革と税のあり方を提言している。
NPO法人に関しては、「目指す社会を実現するために必要な改革」のなかで、国や地方自治体が提供するサービスのうち、NPO法人などでも提供できるものは、非営利法人に任せるように改革するべきと提言。「税のあり方」では、地域に関しては、国に依存しない地方自治体やNPO法人などが中心になっていくことから、これらを税制で支援する必要があるとしている。
その上で、提言書では、所得税、資産課税、法人課税などの基幹税と税制の具体的な姿を示している。
その中の「所得税」の項で、「寄附税制と非営利法人課税の改革」として、NPO法人の支援税制について、受入寄附金の公益性判断基準など寄付税制の適用認定を緩和する必要があると提言している。
具体的には、NPO法人の寄附税制に言及している部分は以下の通り。
IV.基幹税と税制インフラの具体的な姿
1.所得課税
(6)寄附税制と非営利法人課税の改革
政府部門を縮小していく中で、民が担う公を育成する必要があります。その基本は個々人の「志」であり、目指す社会を実現するために寄附により社会還元を行いやすい環境を整えることが考えられます。また、個人の活力を削がない観点や所得税の税率構造との関係からも、寄附税制の拡充が必要になります。
民が担う公として期待されているNPO法人について、受入寄附金の公益性判断基準など寄付税制の適用認定を緩和する必要があります。
なお、NPO法人の事業が拡大すれば、結果的に、高齢者やニート・フリーターなどに新たな就業機会を提供することに繋がります。
一方、寄附金を受け入れるNPO法人を含めた非営利法人については、信頼性を一層向上することが不可欠になります。収益事業については、営利法人とのイコール・フッティングを図る観点から、常にその範囲の適正化を図っていく必要があります。
この「社会のために皆が願いを込めて納める税制への改革」の全文は、経済同友会サイト内に掲載されている。