行政 : 内閣府、報告書の電子提出を簡易化
5月11日、内閣府は、内閣府所轄のNPO法人が内閣府に提出する一部の書類のインターネットによる提出について、今年の6月1日から電子署名を不要とすると発表した。
電子申請・届出とは、紙によって行われている申請や届出などの手続を、インターネットを利用して実現できるようにするもの。役所等の窓口へ出向いて行っていた各種申請・届出などの手続が、自宅や会社のインターネットに接続されているパソコンを利用してできるようになる。
内閣府は、平成16年3月26日より、内閣府所轄のNPO法人の設立認証申請や定款変更などの届出を、従来の書面による手続きに加えて、インターネットを使って行うことができる「電子申請システム」の運用を開始している。
これによって、NPO法人の設立認証にかかる手続、認証設立登記完了の届出、定款変更の届出、役員の変更等の届出、事業報告書の提出などがインターネットを通じて24時間受け付けられている。
電子申請・届出において、本人であることを証明するためには、署名や印鑑の代わりに「電子署名」が利用される。
インターネットを経由して提出するデータに電子署名を付加することにより、データの作成者(署名者)が誰なのかを確認することと、データが改ざんされていないことが確認できる。
平成13年4月1日からは「電子署名法」が施行され、電子署名の付加された文書に対しては、間違いなく本人が作成した文書であると法的に認められることになっている。
しかしながら、電子署名を取得するには手続きと費用がかかること等から、NPO法人に関しては、電子申請・届出はあまり普及していないとのこと。
5月11日、内閣府は、平成19年6月1日から一部の書類のインターネットによる提出について、電子署名を不要にすると発表した。
電子署名が不要となる電子提出・届出は下記。
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特定非営利活動法人の事業報告書等の提出
事業報告書等提出書、事業報告書、財産目録、貸借対照表、収支計算書、前事業年度の役員名簿、前事業年度の社員のうち10人以上の者の名簿等(法第29条第1項に規定する書類) -
特定非営利活動法人の定款変更の届出
事務所の所在地の変更、資産に関する事項の変更、公告の方法の変更
これらについて、電子署名に代えて内閣府が発行するID及びパスワードを用いての提出・届出が可能となる。
なお、今回の変更により、
- 事業報告書等の提出及び、
- 定款変更の届出(軽微な事項に係る定款の変更の届出)
については、従来の電子署名による方法では受け付けられなくなるので注意が必要。(ただし、上記2手続き以外の手続きはこれまでどおり電子署名を付与することによる電子申請・届出。)
内閣府では、今回の措置のメリットとして、毎年行う事業報告書提出時にExcel、Word等で作成した書類がそのままインターネットで送付できること、電子署名に必要な経費・手続きがいらないことをあげている。
内閣府の「事業報告書等のインターネットでの提出の簡易化について」、ID及びパスワードの発行手続については、内閣府NPOホームページ内、下記を参照のこと。
http://www.npo-homepage.go.jp/e-system/