行政 : 「公益認定等委員会」、認定基準を答申
6月15日、内閣府の「公益認定等委員会」(委員長・池田守男資生堂相談役)は、新たな公益法人の認定基準に係る政令と内閣府令の案を答申した。答申では、「公益性」の認定基準として、公益目的事業比率が5割以上であることを義務付けている。
昨年6月2日に公益法人制度改革関連3法が公布され、剰余金の分配を目的としない社団及び財団は、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により簡便に法人格を取得することができる「一般社団法人」及び「一般財団法人」となることになった。
そして、「一般社団法人」及び「一般財団法人」のうち、公益性が認定された法人については、「公益社団法人」、「公益財団法人」として適切な税制上の措置が講じられるとされている。
この公益性の認定は、内閣府に設置される「公益認定等委員会」、または各都道府県に設置される「合議制の機関」が行う。
今年4月1日、「公益認定等委員会」が内閣府に設置された。
「公益認定等委員会」は、公益認定等に関わる内閣総理大臣の諮問について審議し答申を行い、内閣総理大臣から委任を受け、立入検査等を実施することが職務。
平成20年12月頃に予定される新制度施行までの間は、新たな公益法人の認定基準に係る政令、内閣府令等について審議を行うとされ、11回の審議を経て、6月15日に答申した。
答申では、公益法人の「公益性」の認定基準として、公益目的事業比率が5割以上であることを義務付けている。
具体的には、(公益目的事業の実施に係る費用)÷(公益目的事業の実施に係る費用+収益事業等の実施に係る費用+公益法人の運営に必要な経常的経費)を公益目的事業比率として定義。この値が100分の50以上となることを公益法人に求めている。
また、公益目的事業比率の算定の基礎となる事業の実施に係る費用、運営に必要な経常的経費は、基本的には、損益計算書(正味財産増減計算書)上の各事業費、管理費をそれぞれ採用することが適当であるとしている。ただし、この算定基準の趣旨が公益法人の活動の規模の把握という点にあることから、事業用資産や運用資産の評価損や売却損は除外するべきだとしている。
また、共通する費用は適正かつ合理的な基準で配賦されるとし、事業費や管理費の定義及び費用配分の具体的考え方については、今後同委員会において検討するとしている。
この答申を受けて、内閣府は、今月末にパブリックコメントの募集を開始するとのこと。
「公益認定等に係る政令の制定の立案及び内閣府令の制定について」の答申は、内閣府公益認定等委員会サイト内に掲載されている。
http://www.cao.go.jp./picc/soshiki/iinkai/iinkai.html