行政 : 経団連系研究所、収益事業課税廃止を提言
6月14日、経団連が設立したシンクタンク、「21世紀政策研究所」は、平成20年度の税制改正に向けて、「新たな事業体税制(法人税関係)のありかた」と題する研究報告書を公表した。民間の非営利公益活動の推進のために、NPO法人や公益法人などに対する法人税について、現行の33業種「収益事業課税制度」を廃止して、事業体が利益を構成員に分配することを目的として事業を行う場合にのみ法人税課税をする「営利事業課税制度」を導入すべきだと提言している。
「21世紀政策研究所」は、1997年に経団連が設立した公共政策のシンクタンク。
6月14日、「21世紀政策研究所」は、平成20年度の税制改正に向けて、「新たな事業体税制(法人税関係)のありかた」と題する研究報告書を公表した。 この研究は、「21世紀政策研究所」が「企業税制研究所」に委託して行ったプロジェクト。
この研究報告書では、日本の事業体税制が各種事業体の利用を大きく制約しているとし、とりわけ、NPO法人や公益法人などの非営利事業体に対する収益課税制度が非営利事業体の活動を制約していると指摘。
具体的には、事業体税制(法人税関係)の中に非営利事業体が含まれていることから、現行の「収益事業課税制度」(33業種の事業を営む場合に法人税を課税する制度)を、諸外国と同様に「営利事業課税制度」(事業体が利益を構成員等に分配することを目的として事業を行う場合にのみ法人税を課税する制度)に変更すべきだと提言している。
また、国の財政事情が悪化するなかで、かつて例のない高齢化社会を諸外国以上に民間の非営利活動を促進することが必要であるにもかかわらず、日本の民間の非営利活動が低調であると指摘し、活動促進のためには、諸外国と同等、あるいはそれ以上に寄附金税制を緩和すべきだとしている。
「21世紀政策研究所」では、現在、この報告書に対する意見募集を行っている。締め切りは7月31日。
同研究所では、平成20年度の税制改正に向けて、この研究報告、および意見募集の結果を踏まえて、9月末を目途に法令改正の条文案を作成する予定。
「新たな事業体税制(法人税関係)のあり方」および、それに対する意見募集については、下記の「21世紀政策研究所」サイトを参照のこと。
http://www.21ppi.org/