「NPO支援税制学習会」報告
11月23日(祝)に、香川県高松市の読売新聞高松総局にて、『NPO支援税制学習会~NPO支援税制とはどんな制度か 財政に悩むNPOの福音になるか~』が開催された。祭日にも関わらず会場一杯の35人の参加者があった。
講師は松原明(シーズ 事務局長)。主催は高松NPO市民会議、共催NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会。トヨタ財団の助成を受けている。
まず、松原が「NPOの経営と資金づくり」について説明をした。
助成金や補助金、委託事業をとりまく現状や、それによる経営的な問題や獲得の仕方を説明。助成金や補助金が一見拡大しているが、一方で、パイの限界も見えており、それに依存した形で経営していくことのメリットとデメリットを説明した。そして、それ以外の、会費や寄付金、料金収入を確保していくことの重要性について話した。
そして、そのために税制支援措置が重要であるとして、今回の認定NPO法人制度の内容や認定要件を解説した。
制度の中身について話を聞くのは初めての団体が多いようだった。説明をしながら松原がこの認定要件をクリアーできるかどうか聞いていくと、この認定要件に見合う団体は全くなかった。
多くの団体は、とりわけ料金収入の比率が高く、そのため日本版パブリックサポートテストをパスできない状況にあった。
「参加者は「NPO支援税制」と聞いて期待をもって集まったようだったが、がっかりしていたようだった。」(松原明)
学習会後の参加者からは、以下のような感想があった。
「支援税制の問題はたくさんあるけれど、NPOを取り巻く動きが分かってすごく良かったです。」
「認証されてから2年未満の団体なので、期間が満たされて組織、経理の関係がもう少ししっかりしたものになれば、認定していただけるものかと期待していたのですが、全く可能性のない税制でがっかりでした。認定要件のパブリックサポートテストを米国から取り入れたのなら、内容も米国式に変えなければ、可能な話にならない。」
「NPO支援税制の施行直前に国税局に相談に行きました。期待していったのですが、がっかりして帰ってきました。国税局の担当者もこの制度の問題点は認識していて今後の改善へ努力したい意向のように思われました。」
「これからの政府の対応及びNPOの活動が期待される。」
「支援税制を変える必要性を感じました。」
今回の学習会を主催した高松NPO市民会議の代表・齋藤巌氏は、「講師の熱意ある分かりやすい説明で、参加した人は多くの知識を得たと思います。また同時に、課題を認識したことと思います。」と語った。
2001.11.28
(報告・写真:高松NPO市民会議 文責:シーズ事務局)