「JUSCPA講演」報告
6月20日に、JUSCPA (Japan Society of U.S. CPAs) の年次総会が外国特派員協会で開かれた。
95年に設立されたこの団体は、日本在住の米国公認会計士の有資格者および全科目合格者から構成されていて、日本における米国公認会計士のプレゼンスの向上を図っている。
現在、特定非営利活動法人格の取得を検討中であり、シーズの松原明事務局長が、総会にゲストスピーカーとして招かれた。
松原事務局長は、特定非営利活動促進法(通称NPO法)について説明し、特定非営利活動促進法(通称NPO法)により法人格を所得するための要件と法人化したときのメリット、デメリット、NPO法改正の動向を中心に話をした。
松原事務局長の話の要点は以下のとおりである。
JUSCPAの場合、米国公認会計士の資格をもつ者を会員にしているがそれが、要件の中の「正会員の資格の得喪に関して不当な条件をつけない」ことに抵触する可能性がありうることを指摘したが、団体の目的を達成するために正当な条件ならば会員を制限できる、ということも紹介した。特定非営利活動の定義に、不特定多数の利益の増進に寄与することを目的とするが、広く社会一般の目的が主たる目的で、会員メンバーへの利益が半分以下であれば法人格を取得する要件を満たすことができ、重要なのは、会員の条件をどのように付するかを同団体がどのように決めるかであると話した。
法人化のメリットとしては、団体の信用が増し団体として、ルールにのっとりしっかりした運営ができるようになること、契約関係や財産の保全が団体として行えるようになる。デメリットとしては、地方税がかかってくること(地方税を減免している地方自治体が殆どだが、収益事業をする場合は例外になる)と、書類の提出など事務作業が増えることなどがあげられた。
最後に、現在、国会で議論されているNPO法改正の動向について簡単に話した。
最近、経済活動の下支えをする活動団体が増えていることに触れ、追加分野のひとつが「経済活性化の推進」であることを紹介した。日本証券業協会が個人投資家向けの教育を行うNPO法人を設立したことや、日本貿易会が、商社の退職者が海外でボランティアをしたりコンサルタント業務をする仲介業などを行ったりするNPO法人を設立したことなどを話した。
このような中で、JUSCPAがNPO法人化するのは、きわめて当然なこととして受けとめられるであろう、と締めくくった。
報告 黒田かをり
2002.07.04