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その他ニュース

2007年08月28日 10:08

その他 : 市民チャリティ委の報告書を発表

 財団法人公益法人協会は、同協会が運営する「市民チャリティ委員会」の議論をうけた報告書をとりまとめ、8月6日に発表した。同委員会は市民の目から見た公益性について議論を重ねており、同協会は、公益法人制度改革による公益性判断機関(第三者機関)の発足後は、この市民チャリティ委員会を、「第三者機関」に対するオンブズ委員会に発展させていきたいとしている。

 

 昨年6月2日に公益法人制度改革関連3法が公布され、民法の公益法人に関する34条以下の規定が110年振りに改正された。

 これによって、剰余金の分配を目的としない社団及び財団は、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により簡便に法人格を取得することができる「一般社団法人」及び「一般財団法人」となることになった。

 そして、「一般社団法人」及び「一般財団法人」のうち、公益性が認定された法人については、「公益社団法人」、「公益財団法人」として適切な税制上の措置が講じられるとされている

 こうした動きを受けて、財団法人公益法人協会は、公益性や公益組織とはなにかということを、一般市民の視点で具体例に則して徹底的に議論をすることを目的として、「市民チャリティ委員会」を平成17年10月に設置した。

 構成メンバーは一般市民12名。一般市民の視点を重視するために、あえて、民間公益活動やそれを行う組織に直接関係する実務家、研究者あるいは公務員は除外されていた。

 同委員会は、今年の3月まで、毎月1回開催され、主に仮想案件を題材としてその公益性の判断について議論を重ねてきた。

 財団法人公益法人協会は、8月6日、「市民チャリティ委員会」の議論をうけた報告書をとりまとめて発表した。

 報告書は、17回にわたる委員会での議論の概要を報告する本編と、同協会事務局による「民間公益の存在意義と『不特定かつ多数の者の利益』」を収録した資料編からなっている。

 新公益法人制度においては、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」の第2条第4号にも明記されている通り、「不特定かつ多数」の者の利益の増進にかかわる活動を行うことは、団体の公益性判断において核心となる要件。報告書では、この公益性判断における「不特定かつ多数」をどのように捉えるか、という議論も報告されている。

 この議論に関する仮想案件としては、「いろはちゃんを救う会」を想定して検討を行なっている。

 いろはちゃんの海外での心臓移植の実現とその後の療養の支援を目的とし、それにかかわる費用のための募金活動を行うために設立された「いろはちゃんを救う会」の公益性について議論している。

 結論は、「受益者が特定の個人である団体に対して、公益性を認めると判断することは困難だ」との結論が導き出されている。

 その一方、たとえ受益者が特定個人であっても、その団体の支援者・提供者や一般からの支援、活動を取り巻く公的制度、あるいは活動の継続性や普遍性によって、公益性を認める余地がある、ということであるのではないか、との問題提起もされている。

 公益法人協会は、公益法人制度改革による公益性判断機関(第三者機関)の発足後は、この市民チャリティ委員会の成果を、「第三者機関」に対するオンブズ委員会に発展させていきたいとしている。

 この報告書は、市民チャリティ委員会サイト内、下記に掲載されている。
 https://www.charity-c.org/

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