認定NPO法人制度を考える福岡集会
12月5日、「認定NPO法人制度改正のための全国キャンペーン」の福岡集会が開催された。
- 日時:12月5日(日)10:10~12:30
- 会場:福岡市NPO・ボランティア交流センター(福岡市立青年センター5F)
- 主催:特定非営利活動法人ステーション
- 共催:NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会
- 協力:キャンパステーション
- 参加者:25名
この集会に先立ち、福岡県内選出の全国会議員に認定NPO法人制度改正に関するメッセージをお願いしたところ、以下の議員よりメッセージを頂戴し、当日、会場において発表させていただいた。
- 衆議院議員 楢崎欣弥氏
- 衆議院議員 原田義昭氏
- 衆議院議員 藤田一枝氏
- 参議院議員 岩本つかさ氏
<報告>
- 松原 明氏(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長)
始めに、シーズ事務局長の松原明氏より、認定NPO法人制度改正全国キャンペーンの実施状況の報告を受けた。
松原氏は、「認定NPO法人制度は、その認定要件の難しさが知られているが、『NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会』の取組みによって、2年前に一部認定要件の緩和が実現した。しかし未だ全国で認定を受けた団体は26団体に止まり、認定増加には繋がっていない。」と延べ、現行の制度が「実態に合っていない」と言われるポイントを整理し、認定要件の問題点と改正要望点についての解説した。
<パネルディスカッション>
松原氏の報告と解説を受けて、パネルディスカッションが行われた。
【コーディネーター】
- 加留部貴行氏
(NPO法人日本ボランティアコーディネーター協会副代表理事)【パネリスト】
- 松原 明氏(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長)
- 藤田一枝氏(衆議院議員)
- 三宅玲子氏(NPO法人もしもしキモチ事務局長)
- 赤塚俊和氏(NPO法人NPO会計税務専門家ネットワーク理事長)
このパネルディスカッションでは、冒頭、福岡県内での認定制度の活用状況報告として、福岡県内で認定を受けているのは3団体(・市民オンブズマン福岡・患者の権利オンブズマン・北九州ホームレス支援機構)のひとつである「認定NPO法人市民オンブズマン福岡」から、認定申請時から現在に至るまでの法人の活動状況が報告された。
また、4団体目の認定を目指して申請し、先月ヒアリングを終えたばかりの「NPO法人チャイルドラインもしもしきもち」事務局長三宅氏が申請手続きの実情を報告。報告では、日常的に経理処理を丁寧に行っていたことで会計資料提出に関しては手間取ることがなかったとする一方で、やはり全体の資料整理に膨大な時間を割き、業務を置いての作業量は大変なものだったとのコメントがあった。
会場からは、寄付者の立場から考えても、認定NPO法人制度の改善が必要、という声が上がった。また、制度の見直しを求めていくためには、現在のNPO法人の活動実態を国税庁担当課含めて一般に広く知ってもらうことが第一との意見も出された。
この集会を終えて、先ずNPO法人自らがこの制度をどう活用できるかを考え、その上で改善提案を「現場の声」として盛り上げていく必要を痛感した。
報告者:NPOステーション事務局 大石真純
2004.12.24