行政 : 大阪府、LLPによるニート就労支援
大阪府は、9月14日に、有限責任事業組合(LLP)制度を活用したニートの職業的自立支援施策である「ネットワーク型ニートマッチング推進事業」を開始した。この事業では、ニート就業支援について、NPO、企業、団体、個人等によるネットワーク型のコミュニティを構築し、LLPに参加する企業などで若者の職場体験などを実施する。
若者を取り巻く雇用情勢は、依然として厳しい状況にあり、雇用から離れ、教育も職業訓練も受けていない若者、いわゆる「ニート」(NEET=「Not in Employment,Education or Training」の頭文字をとった新語)が社会問題化している。
大阪府は、9月14日に、有限責任事業組合(LLP)制度を活用したニートの職業的自立支援施策である「ネットワーク型ニートマッチング推進事業」を開始した。
大阪府によれば、LLPを事業主体としたのは、目的を同じくする多様な主体がそれぞれの特性を活かし、責任を共有しながらニート支援に取り組むネットワークを構築することが重要だと考えたから。LLPによるニート支援は全国初の試みとだのこと。
事業主体となるLLPは「ネクストステージ大阪有限責任事業組合」。同組合は今年8月、NPO、民間企業や社会福祉法人など5団体が設立したもの。
この事業は、LLPに参加するNPO、企業、団体、個人等によるネットワーク型のコミュニティを構築し、その中で、多様な業種、職種の職業体験を提供し、ニート状態にある若者一人ひとりの個性や能力を引き出し、その能力が最大限発揮できる就職へ結び付ける。また、ニート本人だけではなく、その「親の会」の参画により、家族へのきめ細やかなサポートも実施する。
大阪府によれば、1つの傾向として、企業はやる気と元気が表面的に見えるコミュニケーションの能力が高い人材を求めるが、ニート状態の若者の多くは、人とのコミュニケーションが苦手だという。
この結果、就職時の面接等がうまく行かず、従来のコミュニケーション能力を主体とした「がんばれ型」の就職支援方策でもうまく行かないケースも多い。
そこで、これまでの「がんばれ型」支援を見直し、「能力発見型」の支援を目指す事業を展開したいとのこと。この事業が構成する「ニートマッチングコミュニティ」は、かつて地域社会が子どもを見守り、育て、就職まで結び付けたようなコミュニティをイメージしているという。
「ネットワーク型ニートマッチング推進事業」の詳細は、大阪府サイト内、下記を参照のこと。
http://www.pref.osaka.jp/fumin/html/16981.html