その他 : 国交省、史跡保全の支援税制を要望
８月３１日に国土交通省が財務省に提出した平成２０年度の税制改正要望に、歴史的資産の保全活動に取り組むNPOなどに対する支援税制の創設が盛り込まれた。
国の予算編成の仕組みは、例年、各省庁は、８月末までに、翌年度の予算要望および税制改正要望を財務省に提出し、９月以降１２月まで、各省庁と財務省の間で調整し、翌年度の予算や税制改正が決まるというシステムになっている。
８月３１日、国土交通省は、平成２０年度の税制改正要望を財務省に提出。要望には、歴史的環境の保全・整備によるまちづくりの推進に係る特例措置の創設をが盛り込まれた。
具体的には、市町村長が、歴史的環境の保全・整備によるまちづくりに取り組むＮＰＯ法人、公益法人を「歴史的環境保全整備機構」（仮称）に指定。
それらの団体が地域住民からの募金などを元に土地を購入する際、登録免許税や不動産取得税を軽減。また、個人・法人が歴史的重要施設の整備に関する土地等を地方公共団体、または、「歴史的環境保全整備機構」に譲渡する場合、１５００万円を特別控除（所得税・法人税）とすることなどを要望している。
平成２０年度国土交通省税制改正要望は、下記に掲載されている。
http://www.mlit.go.jp/yosan/yosan08/zeisei08/zeisei08_.html
国土交通省が提出した「歴史的環境保全整備機構」の創設および、それに対する特例措置に関する要望は以下のとおり。
Ｉ 連携協働による地域再生の推進
１ 活力ある地域づくりと観光交流の拡大
（１）歴史的環境の保全・整備によるまちづくりの推進に係る特例措置の創設（所得税、法人税、登録免許税、個人住民税、法人住民税、事業税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税）
我が国の貴重な歴史的資産と周囲の歴史的環境を一体として保全・整備し、歴史、文化等を活かしたまちづくりを推進するため、市町村が策定し、国土交通大臣の認定を受けた「歴史的環境保全整備計画（仮称）」に定められた歴史的重要施設について、以下の特例措置を創設する。
１．個人・法人が保有する歴史的重要施設又はその敷地に係る固定資産税・都市計画税の課税標準１／２（一定の場合には非課税）
２．個人・法人が歴史的重要施設の整備に関する事業の用に供する土地等を地方公共団体又は歴史的環境保全整備機構（注）に譲渡する場合の１５００万円の特別控除（所得税・法人税）
（注）歴史的環境保全整備機構（新設）：市町村長の指定を受けて歴史的環境の保全・整備によるまちづくり活動を行うＮＰＯ法人、公益法人
３．歴史的環境保全整備機構が歴史的重要施設又はその敷地を取得する場合（施設を復元する場合を含む）の登録免許税・不動産取得税の非課税措置
