定款の相対的記載事項とはなんですか?
定款に記載を欠いても定款自体が無効となることはないけれども、定款に記載しておかなければその事項について効力が生じない事項があります。そういう事項を相対的記載事項と呼びます。相対的記載事項は、NPO法ですでにルールが決められている事項について、定款で別に定めればNPO法の要件よりも定款の記載が優先されるというものです。
相対的記載事項には次のようなものがあります。
・理事の代表権の制限(第16条)
・理事による法人の業務の決定の方法(第17条)
・定款の変更に係わる特別多数要件の変更(第25条第2項)
・社員による臨時総会の開催の請求に必要な社員数(第30条、民法61条)
・理事その他の役員に委任される法人の事務(第30条、民法63条)
・総会の決議事項の事前通知の原則の例外規定(第30条、民法64条)
・「各社員の表決権は平等であること」を変更する規定(第30条、民法65条第3項)
・総会に関して社員の書面による表決及び代理人を出席させることができる権限に関する規定を変更する規定(第30条、民法65条第3項)
・「社員総会の決議」、「目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能」、「社員の欠乏」、「合併」、「破産」、「第43条の規定による設立の認証の取消」以外の解散事由(第31条第2項)
・残余財産の帰属先(第32条第1項)
・合併を決定する際の社員総会の議決における特別多数要件の変更(第34条第2項)
・解散の決議に関する特別多数要件の変更(第40条、民法69条)
・解散の場合に、理事以外を清算人に選任する規定(第40条、民法74条)
(これ以外に、NPO法11条11号の「その他の事業の種類、その他の事業に関する事項」も相対的記載事項とする分類もあります。)
これら定款の相対的記載事項のなかには、規定しておかないとのちのち団体の運営が非常に窮屈になり、ほとんど立ち行かなくなるようなものが多く含まれています。定款作成の際には相対的記載事項についてよく検討し、自分の団体に合ったルールづくりをすることが大切です