理事が職員を兼ねています。その理事も労働保険や社会保険の被保険者になれますか?
社会保険については、問題なく被保険者になれます。
労働保険については、原則的には代表執行権のある役員(理事)は加入できないことになっています。しかしそうはいっても、NPO法人の場合は、理事でありながら、職員として働いて給与をもらっている人がたくさんいます。理事長である場合は難しいのですが、それ以外の理事であれば、これを解決できる方法があります。
雇用保険の手続きとしては、職員が役員を兼務していることを示した「兼務役員雇用実態証明書」を提出することになります。この書類は、ハローワークで入手できます。この時、理事が「理事としての報酬」ではなく、「職員としての給与」を受けていることを示すために雇用契約書(理事長との間で交わすと良いと思います)や賃金台帳を提示したり、就業規則に従って働いていることを証明したりする必要があります。提示する書類の詳細については、管轄のハローワークにお尋ねください。
一方、労災保険については、特にこうした書類を提出することは求められません。事故や病気になったりして、労災からの給付を受ける時には、実態が調査されることになります。その際、雇用契約書が取り交わされているか、就業規則に従って働いているか、賃金台帳に載っているか、職員としての給与を受けているかなどが確認された後に、保険給付を受けることが可能となります。