行政 : 京都府、NPO支援ファンド創設へ
京都府は、NPO活動、コミュニティビジネス、女性起業などを支援するファンドの創設を目指して検討を重ねている。10月16日には、「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(中間案)」を公表。11月15日までこの中間案に関する意見募集をおこなっている。
京都府では、平成19年度に新規策定または改定する20のアクションプランについて、各政策検討委員等の意見をもとに中間案を取りまとめて公表した。
10月16日から、これらの中間案に対する意見を募集している。
16日に、公開された、「きょうと元気な地域づくり応援ファンド検討プラン(中間案)」もそのうちの1つ。
京都府では、このプランの策定にあたり、社会構造の急速な変化や府民の価値観が多様化する中、コミュニティの希薄化が進み、地域の課題も一層複雑化、専門化しており、それに伴い公共サービスの領域が広がるとともに、地域の団体等と行政の役割分担も変化してきていると分析。
こうした公共サービスへのニーズに対応し、地域の課題解決を図り、活力ある地域社会づくりを進めるためには、地域住民・団体・行政がそれぞれの役割を発揮し、社会全体で公共・公益を担うことが求められていると結論付けた。
しかしながら、この公益を行政と共に担うNPO法人については、毎年、京都府内では、新たに約100法人が設され、現在900以上の法人が活動しているが、年間支出額が1千万以下の法人が約8割(平成17年度)と財政基盤が脆弱であるため、資金協力を希望する団体が多い現状がある。
そこで、京都府では、こうした活動を支援する「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(中間案)」の創設を検討し、平成19年度に新規策定または、改定する20のアクションプランの1つに盛り込んだ。
具体的には、このファンドでは、下記の2つのプログラムを提供して、地域全体で公共・公益を担う社会づくりを推進するとしている。
(1)収益の伴わない公益的な活動への支援プログラム
地域の課題解決や活性化に取り組むNPOや若手芸術家等が、社会的に認められることができるようにする。そのため、助成や融資、府民等から提供のあった建物・土地・資材や人材などの仲介によって、活動に必要な資金や活動の場等の提供、利用者へのフォローアップなどを行い、その活動が府民の暮らしに根付くことができる環境づくりを行う。
(2)コミュニティビジネス等支援プログラム
独立行政法人中小企業基盤整備機構の「地域中小企業応援ファンド」制度を活用して、ファンドを造成し、ビジネス的手法を活用して、地域や社会の課題解決に取り組むコミュニティビジネスの事業者(中小企業やNPO等)が、自立した持続可能な事業として取組を進めていくために必要な資金について支援を行う。
京都府は、「きょうと元気な地域づくり応援ファンド」を行政と府民が共に創設し、府民が互いの信頼と絆のもとに地域力の再生を図ることができる社会環境づくりを進めるものとしたいとしている。
現在、府では、他のアクションプラントともに、11月15日までこの中間案に関する意見募集をおこなっている。
「きょうと元気な地域づくり応援ファンド検討プラン(中間案)」の詳細と、意見募集については、京都府サイト内、下記に掲載されている。
http://www.pref.kyoto.jp/npo/1191895778211.html