会費を滞納している会員に通知を出して、「○月×日までに会費納入がない場合、退会したものと見なす」と連絡することは可能でしょうか。
特定非営利活動法人法第11条三号は「社員の資格の得喪に関する事項」を定款に記載するよう定めています。
「得喪」ということですので、社員の資格の喪失についても定款に定められていることになります。従って、社員たる資格の喪失については専ら定款の定めによることになりますから、一定の期間会費の納入がないときに退会したものとみなす旨の定款の定めがあるときは、もちろんその定款の定めによることになります。この場合、この期間が満了したら通知の有無に関係なく会員の資格を喪失することになります。
しかし、このような定款の定めがないときは、「○月×日までに会費納入がない場合、退会したものとみなす」と通知しても、その通知は定款の定めなく社員の資格を剥奪することになりますので、その通知には何らの効力もありません。
特定非営利活動法人は人が集合した社団的団体ですから、その社員(総会で議決権を有する、いわゆる正会員)の資格の得喪というのは大変に重要な事項です。このためその資格の得喪に関する事項を定款に記載しなければならないことになっている訳です。
会費を払わない、いわゆる幽霊会員があまり増えると法人の運営上困りますので、多くのNPO法人では「○年以上会費を納入しない場合、退会したものとみなす。」旨の定款の定めを置いていることと思いますが、このような定めがないときは、定款変更をしてこのような趣旨の定めを置いて、こうした幽霊会員を整理した方がいいかもしれません。