所轄庁に事業報告などを提出した後は、それらの書類はどうなるのでしょうか。
NPO法人が毎事業年度初め3ヶ月以内に提出するものは、以下の書類です。
1.前事業年度の事業報告書等(これは、事業報告書、財産目録、貸借対照表、収支計算書を指します)
2.役員名簿(これは、前事業年度役員であったことがある人全員の氏名と住所または居所、これらの者についての前事業年度における報酬の有無を記載したもの、また10人以上の社員の氏名と住所または居所を記載した書面を指します)
3.前事業年度に定款変更があった場合は、その変更後の定款、所轄庁の認証を要する定款変更だった場合は定款の認証に関する書類の写し、定款変更によって登記事項に変更があった場合にはその登記に関する書類の写し
この事業報告書等の提出や公開については、NPO法の第29条に定められています。
なお、提出した上記の書類は、官報に掲載されることはありません。しかし、所轄庁では、誰でも閲覧できますし、法人の事務所では社員その他の利害関係人からこれらの書類の閲覧請求があったときに閲覧させなければなりません。
実際に所轄庁に行くと、こうした書類が自由に閲覧できるようになっているところもありますし、職員に依頼すると見せてもらえるようになっているところもあるようです。また、遠隔地にいても、「情報公開手続き」を踏めばコピーを送付してくれます。
こうした閲覧は、第三者、つまり一般の市民にとっては重要なものです。地域で活動しているNPO法人がいったいどんな事業を前年度にしたのか、どんな人が役員になっているのか、その財政状況などの情報を入手することで、本当にしっかりした活動や運営をしているかを知る目安になります。
NPO法人にとっても、しっかりとした情報を公開することで、活動の有効性や、団体の透明性をアピールでき、支援を得る機会になるでしょう。