2003年5月1日のNPO法改正によって、予算準拠主義に関する条文が削除されましたが、予算を作らなくてもいいということでしょうか。
2003年5月1日の改正NPO法施行によって、NPO法第27条第一項第一号の「収入及び支出は、予算に基づいて行うこと」という条文は削除されました。
しかし、この条文の削除は、予算をつくらなくても良いという意味ではありません。きちんとした運営をする上では、作った方が良いことに変わりはありません。
ただ、これまでこの条文があったために、周りの事情が変化して予算変更をしたいのに、なかなか変更しにくいという声もよく聞いていました。阪神・淡路大震災の時、役所や従来の公益法人、社会福祉法人等はすぐに動くことができませんでした。予算や事業計画の変更を柔軟にできなかったのです。NPOの良さは、フットワークの軽さ、柔軟な対応、機動力などである、といわれています。こうした弊害がなくすために、今回の改正では「予算に基づいて収入支出を行うこと」という条文を削除したと言う訳です。
なお、NPO法人のなかには、予算変更を総会の議決事項とする定款をつくっているところが結構ありますが、フットワーク軽く動きたいというNPO法人には、あまりおすすめできません。予算変更のたびに、総会を開催しなければならなくなってしまうからです。こういうNPO法人の場合には、理事会において予算変更を決定できるように定款をつくっておくと良いと思います。
類似の質問と回答が、この「よくある質問」の「改正NPO法人の意義」Q09.にもありますので、そちらもご参照ください。