その他 : 犯罪被害者白書、NPOとの連携を
10月26日、平成19年度版「犯罪被害者白書」が閣議決定されて公開された。白書では、NPO法人などの民間団体と関係機関間の連携による支援活動の重要性に言及している。
犯罪被害者白書は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)第10条の規定に基づき、政府が講じた犯罪被害者等のための施策について、毎年、国会に提出する年次報告書。
10月26日に閣議決定した平成19年版「犯罪被害者白書」は、昨年に引き続き2回目の作成。
この白書の第1章においては、犯罪被害者等施策の総合的かつ計画的な推進について述べられ、第2章においては、平成18年度から平成19年度前半に犯罪被害者等のために講じた施策が報告されている。
この2章に加えて、「コラム」が掲載されており、「民間団体の取組」の項では、NPO法人などによる支援活動が紹介されている。
具体的な内容としては、第1章では、日本における犯罪被害者支援施策の経緯を解説。平成16年12月1日、犯罪被害者等基本法(以下「基本法」。)が、議員立法により成立し、17年4月1日に施行。この基本法によって、犯罪被害者等のための施策に関しする基本理念が定められ、犯罪被害者等の権利利益の保護について、国、地方公共団体、国民の責務が明らかにされたとしている。
また、この基本法では、政府が犯罪被害者等基本計画(以下「基本計画」。)を定めることとされており、施行と同時に、内閣府に、犯罪被害者等施策推進会議(以下「推進会議」という。)が設置され、基本計画の策定を開始。平成17年12月には、基本計画が閣議決定され、具体的な施策が示され、以後、様々な取組みが展開されていると解説されている。
第2章では、平成18年度から平成19年度前半に犯罪被害者等のために講じた施策を、下記の「基本計画」に盛り込まれた5つの重点課題の柱立てに沿ってまとめている。
1.損害回復・経済的支援等への取組
2.精神的・身体的被害の回復・防止への取組
3.刑事手続への関与拡充への取組
4.支援等のための体制整備への取組
5.国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組
この2つの章に加えて、白書には、家族の思い、関係機関、国民意識などに関する「コラム」も掲載されている。
その1つ、「民間団体の取組」の項では、「民間団体による支援活動は、犯罪被害者等が有する多様な事情に応じたきめ細かで迅速な対応を可能にするものであり、関係機関間の連携による途切れのない支援を行う上で不可欠である。」とし、犯罪被害者等への総合的な支援を目指す民間支援団体の連合体として、「NPO法人全国被害者支援ネットワーク」を紹介。
加えて、DV被害者が緊急避難する「民間シェルター」がお互いに連携や協力をするネットワーク、「NPO法人全国女性シェルターネット」を紹介している。
平成19年版「犯罪被害者白書」は、内閣府サイト内、下記に掲載されている。
http://www8.cao.go.jp/hanzai/whitepaper/