よく自治体から講師依頼を受けて職員を派遣しています。講師報酬は源泉徴収されてその職員個人宛になっていますが、これを法人が受け取れるようにするのはどう処理した良いでしょうか。
自治体が講師依頼をするときには、個人への依頼の形式をとることが多いのですが、自治体側の認識のいかんにかかわらず、NPO法人側は法人として受けたと解釈してもかまいません。この場合、法人税法上の収益事業となるかどうかは、その内容によります(定款に定める本来事業であるかどうかは関係ありません)。
委託事業(通常は委託事業であれば、自治体側も法人との契約とする)や請負業と解釈されるものであれば、課税事業です。ただし、実費精算契約であれば税務署長へ届けることにより、収益事業から除外することができます。
ちなみに、NPO法人と講師として派遣される個人との関係は、法人で(その個人との合意のもとに)自主的に決定することです。個人へ講師報酬を支払ってもよいし、支払わなくてもよいのです。支払う場合に、NPO法人とその個人が雇用関係にあれば給与の一部と考えます。
自治体が個人との契約とみなしたときは、源泉所得税を徴収されますが、この源泉所得税は、この事業をNPO法人が法人税法上の収益事業として行った場合は法人税の前払いとして確定申告で精算できます。しかし、収益事業ではない場合には精算することができません。簡単に言えば徴収された分だけ損をするわけです。