国や地方公共団体から委員や講師の依頼を受けた場合、その報酬は個人に対する支払いを条件としていることが多いようですが、法人の収入としたい場合、会計処理はどのようにすればいいでしょうか。
発注側の都合で個人との契約となっていても、法人との契約とみなして経理処理することは可能です。
法人契約とみなすのであれば総額が法人の収入です。仮に個人名義の口座に入金されてもその全額を一旦法人の口座に振替えてもらいます。総額を法人の収入、「講師料収入」や「受託事業収入」で計上します。もし、運営費分を法人が差引いて残りを本人に日当分等として支払いたいという場合は、その金額を「支払手数料支出」や「講師料支出」等の科目で計上します。
残る問題は源泉徴収税です。名義上個人であれば源泉税を引かれているはずです。
もし、受けた事業の内容が法人税法上の収益事業にあたるのであれば、法人が納税する法人税に充当するか(収益事業が赤字であれば)還付請求することが可能ですが、収益事業に該当しない場合は源泉税分を回収することはできません。これを避けるためには、相手方に法人で受けることを納得してもらって、源泉徴収をやめてもらうしかありません。
(赤塚)