ドルで支払をする場合、収入、支出はいつのレートで書けばいいのでしょうか? また、期末に残ったドル等の現金はどうすればいいのでしょうか。
換算レートには3種類あります。TTB(買い相場=外貨を買う時の相場)とTTS(売り相場=外貨を売る時の相場)、それにTTM(中値=TTBとTTSの中間値)です。相場は日刊紙であればたいてい毎日載っています。決算時レートというのは(3月決算であれば)3月31日(土日や祝日であればその直前日)の相場のことです。期中平均レートというのは、事業年度中の毎月の月初と月末の平均のまた平均です。通常はTTMを使います。上場企業等の場合は取引の種類でTTBとTTSを使い分けたり、もう少しややこしくなります。
通常はNPOの場合は期中取引はその年度中の最初の両替時のレートもしくは取引のあった月の月初のレートを使うなどの簡便法を使っています。NPOの場合は圧倒的に支出が多いのでTTMではなくTTBを使うケースも多いようです(両替時レートはTTBになります)。理論的には収入はTTS、支出はTTBが正しいのです。
決算時に残った外貨の現金や預金は決算時レートのTTMかTTBで換算します。現金預金以外の外貨建て債権や債務があった場合は、債権はTTB、債務はTTSが原則ですが、いずれもTTMでも構いません。ただし継続適用(毎年同じやり方)が条件です。帳簿残高との差異は「為替差益」もしくは「為替差損」で計上します。
(脇坂)