消費税には簡易課税と本則課税があると聞きましたが、どのように違うのでしょうか。
消費税の納税義務者になった場合(基準期間の課税売上高が1千万円を超える場合は納税義務者となります)、納税額は受取消費税から控除対象仕入税額を差し引いた差額です。控除対象仕入税額は支払消費税をもとに計算しますが、非課税収入(会費や寄附金など)が多い場合などはかなり複雑な計算が必要です。
また、受取消費税の計算は比較的簡単にできる(課税売上総額の5/105です)のですが、支払消費税の方は課税支出と非課税支出が同じ勘定科目の中にも混在していることがあって、けっこう手間がかかります。
簡易課税制度は、中小や零細事業者に対し、この手間を軽減する趣旨で設けられた制度で、受取消費税の額が決まればそれに業種ごとに決められた「みなし仕入率」をかけて控除対象仕入税額とするという簡便法です。実際の支払消費税がみなし仕入率よりも多かったりすると、必ずしも納税額が少なくなるとは限らないのですが、とにかく計算の簡便化だけを目的とした制度です。
<参考>
国税庁 タックスアンサー 簡易課税制度
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6505.htm
(脇坂)