NPO法人を設立した時、税務処理で気をつけることはありますか。
通常のNPO法人設立では、特に気をつけることはありません。手続きとしては、法人税法上の収益事業を行うのであれば税務署、都税事務所、市役所等(特別区以外の市町村の場合)に収益事業の開始届を提出することになります。また、給与の支払があれば給与支払事務所開設届も提出します。
任意団体のときから継続して収益事業を行っていた場合には、いつまでが任意団体としての事業で、いつからがNPO法人の事業かを決定しなければなりません。年度末前後であれば年度の区切り、そうでなければ月の区切りでもよいでしょう。
資金の移動に課税されないのはQ7で述べたとおりですが、不動産の受け入れがある場合は注意が必要です。任意団体が不動産を所有していた場合は、登記上の所有者は個人になっていることが多く、真の所有者が任意団体であったことが立証されないと、無償譲渡であっても個人にみなし譲渡の所得税が課税される可能性があります。真の所有者が任意団体であったことを証明するためには、その任意団体が団体としての意思決定機関を持ち、その機関において正当な手続きをとって、団体の資金で不動産を取得したことが、議事録や決算書、預金通帳等で確認される必要があります。また、その固定資産の使用状況、今後の使用予定(目的)、これまでの固定資産税や修繕等の実質負担者も判断の材料とされます。