NPO法人の会計などの書類の保存期間について、何か規定がありますか。
非営利法人の書類の保存について直接規定した法律はありません。営利法人であれば商法第36条に重要書類は10年間保存しなければならない、という規定がありますがそれでは何が重要書類かという具体的な規定はありません。
商法の場合は、その立法趣旨から考えると民法の債権に関する時効が10年ですので、債権債務の立証に必要な書類は10年保存するべきだという考え方だと思います。非営利法人の場合もこれに準じていいでしょう。総勘定元帳、重要な会議(総会や理事会)の議事録、重要な契約に関する契約書等は10年保存です。
会計に関する書類は税法の規定に従っておくのが無難です。伝票や請求書・領収書類、賃金台帳、年末調整に関する書類等は7年保存です。これは税法の時効が最長7年であることに対応しています。また、雇用関係に関する書類は、労働基準法で退職後3年間の保存が要求されています。
このほか、特定非営利活動促進法で情報公開が義務付けられている書類(事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書)はその公開する期間(翌々事業年度末まで)、認定NPO法人であれば法律で定められた情報公開に関する事項は最低でも4年間(過去2年間プラス認定の有効期間2年間)の保存が必要となります。なお、事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書は法定の期間は翌々事業年度末ですが、公開するかどうかは別としても永久保存が望ましいでしょう。
また、介護保険事業など他の法律に基づく事業を行っている場合や補助金を受けている場合は、それぞれの法律や補助金の交付要綱の求める要件があるかもしれません。
(赤塚)