NPO法人に、法人税が課税されるのはどんな場合ですか?
法人税法で定義する「収益事業」を行う場合です。この「収益事業」は、NPO法に規定されている「収益事業」とは、定義が違います。販売業、製造業その他政令で定める事業(33業種あります)で、「継続して事業場を設けて営まれるもの」、というのが、その定義です。そのため、NPO法上では本来事業として定款に特定非営利活動に係る事業とされているものでも、法人税法上は収益事業になるものがあります。
政令で定める33業種とは、物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、放送業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権提供業です。これに該当しなければ、どんなに利益のあがる事業であっても収益事業ではありません。
「継続して」については、不定期であっても反復して行われるものは継続しているものとみなされます。また、興行業に該当する演劇やコンサート等は、たとえ年に1回の公演でも相当の準備期間を要する場合は、継続して事業を行っているものとされます。
「事業場」については、移動販売や無店舗販売も事業場を設けているものと解釈されますから、政令で定める33業種を継続して営む場合はすべて収益事業と考えた方が無難です。
ただし、明文の規定はありませんが、最初から採算を度外視して行うような事業は、形式的に収益事業の定義にあてはまるものであっても、収益事業には該当しないものと考えられます。たとえば物品販売業や、材料費だけを徴収する技芸教授業等で、実費相当額しかもらわないような場合です。