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その他ニュース

2007年12月17日 14:48

その他 : 新公益法人の税制決まる

 与党は、12月13日、税制改正大綱を発表して、新公益法人と一般社団・財団法人に関する税制についても、概要が決められた。新公益法人に関しては、公益目的事業に関しては、収益事業に関しても非課税とするなど、税制上の優遇措置を拡大する一方、一般社団・財団に関しては、課税を強化する内容となっている。

 

 13日に発表された新公益法人および一般社団・財団法人に関する税制のポイントは以下のとおり。

1.一般社団・財団法人

(1)一般社団・財団法人は、税制上は2つに分割する。「非営利性の法人または共益的事業を行なう法人」と「その他の法人」の2つ。
(2)「その他の法人」は、企業と同じ普通法人課税(全所得課税・小規模法人並み)。

(3)「非営利性の法人または共益的事業を行なう法人」は、人格なき社団と同様の収益事業課税。

2.公益社団・財団法人

(1)公益目的事業は、収益事業に該当していても非課税。
(2)みなし寄附金は、50%以上で公益目的事業に拠出した金額まで控除。
(3)収益事業の課税率は小規模企業並み。
(4)公益社団・財団は、特定公益増進法人(寄付控除の対象)とする。

3.収益事業課税

  収益事業は、労働者派遣業を加え、34業種とする。

4.寄附金税制

(1)企業からの寄附金控除枠の所得枠を2倍に拡大。
(2)地方税の寄附金控除の仕組みを創設し、自治体が条例で定めることができるようにする。

 与党税制改正大綱の新公益法人税制に関する部分は以下の通り。


第二 平成20年度税制改正の基本的考え方

3 民間が担う公益活動の推進、「ふるさと納税」
(1)公益法人制度改革への対応  
 来年12月から施行予定である新しい公益法人制度に対応し、税制面からも民間の公益活動を支えていくため、公益社団法人・公益財団法人について、公益目的事業から生じる収益を非課税とするとともに、特定公益増進法人と位置づけ寄附優遇の対象とする等の措置を講ずる。
 また、準則主義で設立可能となる一般社団法人・一般財団法人については、様々な態様の法人に対応する税制を整備し、課税の適正・公平を図る。
 固定資産税等については、公益社団法人・公益財団法人に対して旧民法34条法人と同様の非課税措置を講ずるとともに、一般社団法人・一般財団法人に移行した法人が設置する既存の施設については平成25年度まで同様の措置を講じた上、その間にできるだけ速やかに検討を行い、適切な措置を講ずる。
(2)寄附金税制  
 民間による自発的な公益活動を更に促進するとの観点から、特定公益増進法人等に係る寄附金の損金算入限度額について、所得基準を所得の金額の5%(現行2.5%)に引き上げる。
 あわせて、認定NPO法人制度について、パブリック・サポート・テストの緩和や申請手続の負担軽減などを行う。
(3)個人住民税の寄附金税制、「ふるさと納税」
 地域に密着した民間公益活動やわが国の寄附文化を一層促進する観点から、地方公共団体が条例により指定した寄附金を寄附金控除の対象とする制度を創設するとともに、「ふるさと」に対し貢献又は応援をしたいという納税者の思いを実現する観点から、個人住民税の地方公共団体に対する寄附金税制を大幅に拡充し、所得税と合わせて一定限度まで全額を控除する仕組みを導入する。


第三 平成20年度税制改正の具体的内容

三 民間が担う公益活動の推進、「ふるさと納税」

<公益法人制度改革への対応>
(国 税)
1 公益法人制度改革による新たな法人制度の創設に伴い、次のとおり公益法人関係税制の整備等を行う。
(1)新たな法人制度における社団法人・財団法人に対する課税
 i 公益社団法人及び公益財団法人
 イ 各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について法人税を課税する。なお、収益事業の範囲から公益目的事業に該当するものを除外する。
 ロ 各事業年度の所得の金額に対して30%(所得の金額のうち年800万円以下の部分については、22%)の税率を適用する。
 ハ 収益事業に属する資産のうちから公益目的事業のために支出した金額は、その収益事業に係る寄附金の額とみなす。なお、寄附金の損金算入限度額は、次のいずれか多い金額とする。
  (イ)所得の金額の50%相当額
  (ロ)公益目的事業に使用し、又は使用することが確実であると認められるものに相当する金額(収益事業に属する資産のうちから公益目的事業のために支出した金額を限度とする。)
 ニ その支払を受ける利子等に係る源泉所得税は非課税とする。
 ii 収益事業課税が適用される一般社団法人及び一般財団法人
 イ 次の一般社団法人及び一般財団法人については、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について法人税を課税する。
  (イ)剰余金の分配を行わない旨が定款において定められていること等の要件に該当する一般社団法人及び一般財団法人
  (ロ)会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としていること等の要件に該当する一般社団法人及び一般財団法人
ロ 各事業年度の所得の金額に対して30%(所得の金額のうち年800万円以下の部分については、22%)の税率を適用する。
 iii 全所得課税が適用される一般社団法人及び一般財団法人
 一般社団法人及び一般財団法人のうち、上記i及びiiのいずれにも該当しないものは、法人税法上、普通法人とする。
 iv 特例民法法人
 従前どおり、所得税法上の公共法人等及び法人税法上の公益法人等とする。
(2)寄附税制について、特定公益増進法人及び相続財産を贈与した場合に相続税が非課税とされる法人の範囲に、公益社団法人及び公益財団法人を追加するほか、特例民法法人に係る所要の経過措置等を講ずる。
 また、公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例について、次の措置等を講ずる。
 i 非課税特例の対象となる法人(以下「対象法人」という。)に公益社団法人及び公益財団法人並びに特定の一般社団法人及び一般財団法人(上記(1)iiイ(イ)に掲げるもの)を追加する。
 ii 寄附を受けた財産(以下「寄附財産」という。)が公益事業の用に供されなくなったこと等一定の事由により非課税承認が取り消された場合には、対象法人に対して、寄附時の譲渡所得等に係る所得税を課税する。
 iii 対象法人が、寄附財産を直接公益事業の用に供した後に譲渡し代替資産を取得した場合には、一定の要件の下で非課税特例を継続適用する。
(3)次のとおり、公益法人関係税制等について所要の整備を行う。
 i 公益社団法人及び公益財団法人に係る役員の変更登記等又は公益認定の際の変更登記について登録免許税を非課税とするほか、一般社団法人及び一般財団法人の設立登記等について1件につき6万円等の登録免許税を課税する等の措置を講ずる。
 ii 一般社団法人及び一般財団法人を消費税法別表第三に追加する。
 iii 関連諸制度の整備
 イ 法人税関係
  (イ)収益事業の範囲について、労働者派遣業の追加、技芸の教授業に係る除外措置の見直しのほか、所要の整備を行う。
  (ロ)法人が収益事業課税から全所得課税へ移行した場合など、法人につき課税所得の範囲の変更等があった場合の所要の調整を行う。
 ロ 所得税及び法人税における外国公益法人等の指定制度について、所要の経過措置を講じたうえで廃止する。
 ハ 一般社団法人及び一般財団法人等の持分の定めのない法人への贈与等を通じた贈与税等の租税回避について、所要の措置を講ずる。
 iv その他所要の整備を行う。
(以上につき付記二参照)

(地方税)
1 公益法人制度改革に伴い、次のとおり措置を講ずる。
 (1)法人住民税・法人事業税について、以下の措置を講ずる。
 i 法人住民税均等割
 イ 公益社団法人及び公益財団法人並びに一般社団法人及び一般財団法人について、最低税率を適用する。
 ロ 博物館の設置又は学術の研究を目的とする公益社団法人又は公益財団法人が収益事業を行わない場合には、非課税とする。
 ハ 併せて、以下の改正を行う。
  (イ)人格のない社団等で収益事業を行わないものについて、非課税とする。
  (ロ)人格のない社団等、公益法人等(個別法において公益法人等とみなされるものを含み、独立行政法人を除く。)など資本金の額又は出資金の額を有しない法人(相互会社を除く。)について均等割を課す場合には、最低税率を適用する。
 ii 法人住民税法人税割
   法人税における取扱いを踏まえ、所要の措置を講ずる。
 iii 法人事業税
 イ 公益社団法人及び公益財団法人並びに一般社団法人及び一般財団法人について、所得割額又は収入割額によって課税する。
 ロ 法人事業税所得割について、法人税における取扱いを踏まえ、所要の措置を講ずる。
(2)固定資産税及び都市計画税において、旧民法第34条法人が設置するものに対して非課税措置が講じられている施設について、以下の措置を講ずる。
 i 公益社団法人又は公益財団法人が設置する施設について、旧民法第34条法人が設置するものと同様に非課税とする。
 ii 一般社団法人又は一般財団法人に移行した法人が設置する施設で、移行の日の前日において非課税とされていたものについて、平成25年度分まで非課税措置を継続する。
 なお、特例民法法人から一般社団法人又は一般財団法人に移行する法人が設置する施設については、今後、移行状況や施設の使用実態等を把握したうえで、これまで一定の用途に供する施設に対して非課税措置が講じられてきた経緯も踏まえながら、平成25年度までの間にできるだけ速やかに必要な検討を行い、適切な措置を講ずる。
(3)不動産取得税において、旧民法第34条法人が使用するために取得した場合に非課税措置が講じられている施設について、公益社団法人又は公益財団法人が使用するために取得した場合を非課税とする。
(4)事業所税について、以下の措置を講ずる。
 i 公益社団法人及び公益財団法人並びに一般社団法人及び一般財団法人に対する事業所税の課税の範囲については、法人税と同様とする。
 ii 公益社団法人若しくは公益財団法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人(一般社団法人及び一般財団法人にあっては、法人税において収益事業課税が適用されるものに限る。)が経営する専ら勤労者の利用に供する福利又は厚生のための施設について非課税とする。
(5)特例民法法人について、旧民法第34条法人と同様の措置を講ずる。
(6)その他所要の措置を講ずる。
(7)上記については、平成20年12月1日から適用する。ただし、(1)iハについては、平成20年4月1日から適用する。


<個人住民税の寄附金税制、「ふるさと納税」>
1 個人住民税における寄附金税制について、次の措置を講ずる。

(2)地方公共団体に対する寄附金税制の見直し(「ふるさと納税」)
 都道府県又は市区町村に対する寄附金については、上記(1)の税額控除の適用に加え、当該寄附金が5千円を超える場合、その超える金額に、90%から寄附を行った者に適用される所得税の限界税率を控除した率を乗じて得た金額(個人住民税所得割の額の10分の1に相当する金額を限度とする。)の5分の2を道府県民税から、5分の3を市町村民税からそれぞれ税額控除する。また、申告手続については、納税者の利便を図るため、簡易な方法により行うことができるよう所要の措置を講ずる。
(注)上記(2)の改正は、平成21年度分以後の個人住民税について適用する。


第四 検討事項

8 公益法人制度改革に対応する税制上の措置については、新制度施行後の実態を見極めつつ、必要な見直しを引き続き検討する。
 また、寄附金税制や公益法人等の課税対象範囲等について、民による公益の増進の観点も踏まえつつ、事業活動の内容などの実態や営利競合の排除の必要性等を見極めたうえで引き続き検討する。


【付記二】公益法人関係税制
1 新たな法人制度における社団法人・財団法人に対する課税
(1)公益社団法人及び公益財団法人
 i 納税義務
 収益事業を営む場合に限り、法人税の納税義務が生ずることとする。
 ii 課税所得の範囲
 各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について法人税を課税する。なお、収益事業の範囲から公益目的事業に該当するものを除外する。
 iii 適用税率
 各事業年度の所得の金額に対して30%の税率を適用する。ただし、所得の金額のうち年800万円以下の部分については、22%の軽減税率を適用する。
 iv みなし寄附金
 収益事業に属する資産のうちから公益目的事業のために支出した金額は、その収益事業に係る寄附金の額とみなす。
 v 寄附金の損金算入限度額
 次のいずれか多い金額とする。
 イ 所得の金額の50%相当額
 ロ 公益目的事業に使用し、又は使用することが確実であると認められるものに相当する金額(収益事業に属する資産のうちから公益目的事業のために支出した金額を限度とする。)
 vi 利子等に係る源泉所得税の取扱い
 その支払を受ける利子等に係る源泉所得税は非課税とする。
(2)収益事業課税が適用される一般社団法人及び一般財団法人(非営利一般法人)
 i 対象法人及び納税義務
 公益認定を受けていない一般社団法人及び一般財団法人のうち、次に掲げるものは、収益事業を営む場合に限り、法人税の納税義務が生ずることとする。
 イ 次のすべての要件に該当する一般社団法人又は一般財団法人
  (イ)剰余金の分配を行わない旨が定款において定められていること。
  (ロ)解散時の残余財産を国若しくは地方公共団体又は次に掲げる法人に帰属させる旨が定款において定められていること。
  ・公益社団法人又は公益財団法人
  ・公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条第17号イからトまでに掲げる法人
  (ハ)理事及びその親族等である理事の合計数が理事の総数の3分の1以下であること。
  (ニ)(イ)又は(ロ)の定款の定めに違反した行為を行ったことがないこと。
 ロ 次のすべての要件に該当する一般社団法人又は一般財団法人
  (イ)会員の相互の支援、交流、連絡その他の会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としていること。
  (ロ)会員が負担すべき金銭(会費)の額が定款若しくは定款に基づく会員約款等において定められていること又は当該金銭の額を社員総会若しくは評議員会の決議により定めることが定款において定められていること。
  (ハ)特定の個人又は団体に剰余金の分配を受ける権利を与える旨及び残余財産を特定の個人又は団体(国若しくは地方公共団体又は次に掲げる法人を除く。)に帰属させる旨のいずれについても定款において定められていないこと。
  ・公益社団法人又は公益財団法人
  ・公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条第17号イからトまでに掲げる法人
  ・類似の目的をもつ一般社団法人又は一般財団法人
  (ニ)理事及びその親族等である理事の合計数が理事の総数の3分の1以下であること。
  (ホ)主たる事業として収益事業を行っていないこと。
  (ヘ)特定の個人又は団体に特別の利益を与えないこと。
 ii 課税所得の範囲
 各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について法人税を課税する。
 iii 適用税率
 各事業年度の所得の金額に対して30%の税率を適用する。ただし、所得の金額のうち年800万円以下の部分については、22%の軽減税率を適用する。
 iv 利子等に係る源泉所得税の取扱い
 その支払を受ける利子等に係る源泉所得税は課税する。
(3)全所得課税が適用される一般社団法人及び一般財団法人
 一般社団法人及び一般財団法人のうち、上記(1)及び(2)のいずれにも該当しないものは、法人税法上、普通法人とする。
(4)特例民法法人等
 旧民法第34条法人であった特例民法法人(移行法人への移行の認可の取消しを受けて特例民法法人とみなされた法人を除く。)については従前どおり所得税法上の公共法人等及び法人税法上の公益法人等とするなど、特例民法法人及び特例無限責任中間法人については従前どおりの取扱いとする。
(5)課税所得の範囲の変更に伴う所要の調整
 i 公益社団法人若しくは公益財団法人、非営利一般法人又は特例民法法人が普通法人となった場合には、原則として、簿価純資産価額から利益積立金額を控除した金額を益金の額に算入する。
(注)公益社団法人又は公益財団法人が普通法人に移行した場合には課税対象額から公益目的取得財産残額を、非営利一般法人(移行法人に限る。)又は特例民法法人が普通法人に移行した場合には課税対象額から公益目的財産残額を、それぞれ控除できることとする。
 ii 普通法人である一般社団法人又は一般財団法人が公益社団法人若しくは公益財団法人又は非営利一般法人となった場合には、解散及び設立があったものとして取り扱う。
(注)上記の改正は、平成20年12月1日から適用する。
2 公益法人制度改革に伴う寄附税制の整備
(1)特定公益増進法人の範囲に公益社団法人及び公益財団法人を追加するほか、特例民法法人については、経過措置として、旧民法第34条法人と同様の措置を講ずる。
(2)公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例について、次の措置を講ずる。
 i 本非課税特例の対象となる法人(以下「対象法人」という。)の範囲に次の法人を追加する。
 イ 公益社団法人及び公益財団法人
 ロ 非営利一般法人のうち上記1(2)iイに掲げるもの
 ii 寄附を受けた財産(以下「寄附財産」という。)が対象法人の公益事業の用に供されなくなったこと等一定の事由により非課税承認が取り消された場合には、その対象法人に対して、寄附時の譲渡所得等を承認取消年分の所得として所得税を課税する。
 iii 対象法人が、寄附財産を2年以上直接公益事業の用に供した後に譲渡する場合において、その譲渡による収入金額の全額をもって取得した資産(寄附財産と同種の資産等又は土地等に限る。以下「代替資産」という。)をその譲渡後1年以内に寄附財産と同じ公益事業の用に直接供するときは、寄附財産の譲渡及び代替資産の取得等に関する届出書の提出等一定の要件の下で、非課税特例を継続適用できることとする。
 iv 本非課税特例の対象となる寄附財産の範囲から国外にある資産を、対象法人の範囲から外国法人に該当するものを、それぞれ除外する。
 v 公益社団法人及び公益財団法人につき、その認定の取消しがあった場合において、その有する寄附財産(以下「当初寄附財産」という。)を含む公益目的の財産を、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の定めに従い、他の公益法人等に対して寄附をするときは、その財産の寄附を受けた法人(以下「引継法人」という。)が当初寄附財産相当額の財産(以下「引継財産」という。)を寄附後1年以内にその引継法人の公益事業の用に直接供すること、認定の取消し等及び引継財産に関する届出書を提出すること等一定の要件の下で、非課税特例を継続適用できることとする。
 vi 特例民法法人(移行法人への移行の認可の取消しを受けて特例民法法人とみなされた法人を除く。viiにおいて同じ。)については、経過措置として、旧民法第34条法人と同様の措置を講ずる。
 vii 特例民法法人から公益社団法人若しくは公益財団法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人へ移行する場合において、移行後の法人が寄附財産を直接移行後の公益事業の用に供するときは、移行に関する届出書の提出等一定の要件の下で、非課税特例を継続適用できることとする。
(3)相続財産を贈与した場合に相続税が非課税とされる法人(以下「非課税法人」という。)の範囲に公益社団法人及び公益財団法人を追加するほか、特例民法法人については、経過措置として、旧民法第34条法人と同様の措置を講ずる。
 なお、特例民法法人からの移行の際に非課税法人であった一般社団法人及び一般財団法人が、その移行前に贈与を受けた財産を公益目的支出計画に定める公益事業の用に供しているときは、当該財産については、非課税法人の公益事業の用に供されているものと同様の取扱いとする。
(注)上記の改正は、平成20年12月1日から適用する。
3 公益法人制度改革に伴うその他の公益法人関係税制の整備
(1)所得税・法人税
 i 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等のうち旧民法第34条法人を対象とする措置の対象範囲に公益社団法人及び公益財団法人を追加するほか、特例民法法人については、経過措置として、旧民法第34条法人と同様の措置を講ずる。
 ii 特定退職金共済制度の対象となる法人の範囲に公益社団法人及び公益財団法人を追加する。なお、既に特定退職金共済団体の承認を受けている旧民法第34条法人については、引き続き制度の対象とする。
(2)登録免許税
 i 一般社団法人及び一般財団法人の設立登記等について、1件につき6万円等の登録免許税を課税する。
 公益社団法人及び公益財団法人に係る役員の変更登記等又は公益認定の際の変更登記については、非課税とする。
 ii 公益社団法人及び公益財団法人が学校の校舎等を取得した場合の不動産に関する権利の取得登記については、旧民法第34条法人と同様に、非課税とする。
 iii 特例民法法人等から一般社団法人若しくは一般財団法人又は公益社団法人若しくは公益財団法人への移行に係る登記等については、非課税とする。
(3)一般社団法人及び一般財団法人を消費税法別表第三に追加する。
(注)上記の改正は、平成20年12月1日から適用する。
4 その他の関連諸制度の整備等
(1)収益事業の範囲
 i 労働者派遣業を追加する。
 ii 技芸の教授業について、次のとおり見直しを行う。
 イ 法律の規定に基づいて国の機関が付与する資格(いわゆる国家資格)に関する試験事業又は登録事業であって一定の要件を満たすものを、技芸の教授業の範囲から除外する。
 ロ 外洋小型船舶の操縦の教習に係る除外措置を廃止する。
iii 医師会等が行う開放型病院等に係る医療保健業の除外措置について要件の見直しを行ったうえで存続する等、収益事業に係る除外措置につき、所要の整備を行う。
(2)合併が行われた場合の課税
 一般社団法人及び一般財団法人を含む非出資法人については、共同事業を行うための適格合併の要件の判定に際し、株式保有要件を除外して判定する。
(3)法人が収益事業課税から全所得課税へ移行した場合など、法人につき課税所得の範囲の変更等があった場合には、その前日までのみなし事業年度を設ける。
(4)公益社団法人及び公益財団法人並びに非営利一般法人を収支計算書の提出対象となる法人の範囲に追加するほか、届出及び添付書類に関し所要の整備を行う。
(5)外国公益法人等の指定制度の廃止
 所得税及び法人税における外国公益法人等の指定制度について、既に指定を受けている外国法人に対する所要の経過措置を講じたうえ、廃止する。
(6)一般社団法人及び一般財団法人等の持分の定めのない法人への贈与等を通じた贈与税等の租税回避について、次の措置を講ずる。
 i 公益法人等に対する贈与等を利用した贈与税等の租税回避を防止するための制度について、適用対象を一般社団法人及び一般財団法人等の持分の定めのない法人とする。
 ii iにより持分の定めのない法人に贈与税等を課税する場合において、受贈益が当該法人の益金の額に算入される場合でも、当該法人に対し贈与税等を課税(法人税等は控除)する。
 また、人格のない社団又は財団への贈与税等の課税についても、同様の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、(1)i及びii、(2)並びに(3)を除き、原則として、平成20年12月1日から適用する。
5 その他所要の整備を行う。

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