行政 : 政府、省エネの普及啓発でNPOに期待
11月29日、政府は、各省次官級の「省エネルギー・省資源対策推進会議」を開催し、省エネルギー分野の国民運動の基本方針「省エネルギー国民運動の強化について」と「冬季の省エネルギー対策について」を決定した。ともに、NPO等との連携による広報、普及活動の実施が盛り込まれている。
11月29日、政府は、各府省庁の次官級のメンバーによる「省エネルギー・省資源対策推進会議」を開催。同会議では、平成9年に決定した「省エネルギー広報の強化について」を改訂するとともに、今回新たに業務部門、家庭部門をはじめとした各部門における省エネルギー分野の国民運動の基本方針を設けた「省エネルギー国民運動の強化について」を決定した。
また、エネルギー需要の伸びが見られる冬季の取組を「冬季の省エネルギー対策」として決定し、政府自らの一層の省エネ推進を行うと表明するともに、産業界や国民への省エネ実践を求め、政府関係機関等への協力要請を行った。
これらの決定の主な内容は以下のとおり。
<1>省エネルギー国民運動の強化について
(1)家庭部門における省エネルギー国民運動の強化
省エネコンテストの活用等を通じた家庭等における省エネ実践、省エネ家電フォーラム等を通じた省エネ機器の選択を指導。
(2)業務部門における省エネルギー国民運動の強化
飲食料品小売業、一般飲食店、病院、宿泊業、社会福祉・介護事業、学校、各種商品小売業をはじめとする等業務部門の主要産業の所管省庁による省エネ実施要領作成及び主要産業に対する指導。
(3)エコドライブ等の推進
エコドライブとは、急発進や急加速をしない、アイドリングストップの励行など環境に配慮した運転方法のこと。国民各自がエコドライブを実行するように広報啓発に努めるとともに、所管業界に対する指導を行う。
(4)グリーン電力証書等の活用
グリーン電力システムでは、自然エネルギーによって発電された電力による省エネ(化石燃料削減)・CO2排出削減などの効果をひとつの付加価値とみなす。それに対して一定の対価を払う企業や団体に対して「グリーン電力証書」を発行し、環境への貢献を担保することで、直接的設備投資をしなくとも、自主的な省エネルギー・環境対策として利用できるようにした新しい制度。国民及び事業者が、グリーン電力証書やグリーン電力基金を活用するように指導。
さらに、国民運動の強化に向けて、「関係省庁は、地方公共団体や産業界、NGO等との有機的な連携を通じて広報の展開を図る。」とされている。
<2>冬季の省エネルギー対策について
(1)暖房中の適正な室温の確保
昨年同様、政府は19℃の室温設定を行うとともに、国民に対しては20℃の室温設定を要請。
(2)業務部門のエネルギー管理の徹底
飲食料品小売業、一般飲食店、病院、宿泊業、社会福祉・介護事業、学校、各種商品小売業等の業務部門の事業所におけるエネルギー管理の徹底
を要請。
(3)家庭等における省エネ実践
省エネコンテストへの積極的参加等による、家庭等における創意工夫に基づく省エネ取組の実践を要請。
(4)省エネ性能の高い機器の選択
省エネ家電フォーラムの活動等に留意し、省エネ性能の高い家電機器の購入を選択するよう要請。
(5)グリーン電力証書の活用
政府、委託イベントでのグリーン電力証書の活用を行うとともに、民間イベントにおけるグリーン電力証書の活用を要請。
また、政府は、これらの各事項について国民への周知徹底を図るため、政府関係機関、関係団体、関係業界、地方公共団体、NPO等に対して、これらの機関・団体が産業界や家庭などに省エネルギーの呼びかけを行うよう協力を要請するとしている。
11月29日の「省エネルギー・省資源対策推進会議」の決定は、内閣府サイト内、下記に掲載されている。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/sho-ene/suishinkaigi/suishinkaigi.html