行政 : 三原市、住民組織を協働の担い手に
広島県三原市は、1月8日に「住民自治組織あり方構想(素案)」を公表。1月18日まで意見募集を行っている。市は、構想策定の背景として、市内にまちづくりNPOが少ないことから、住民組織を協働の担い手として育てていくことの必要性をあげている。
三原市は、2005年3月に1市(三原市)・3町(本郷町、久井町、大和町)が合併。新市が誕生してから3年目を迎えた。
合併前の1市3町における基礎的な住民組織は、三原市が「町内会」・「自治会」、本郷町が「町内会」、久井町が「組」・「区」・「農区」等、大和町が「自治区」と呼ばれるなど、その定義や位置づけ、行政からの助成等のあり方がそれぞれ異なっていた。
合併調整方針の中では、「町内会等住民組織は、合併後3年間は区域を定め現行を基本に実施し、その間、組織のあり方を含め統一に向け調整する。」と定められており、3年目の今年度、三原市では、住民組織のあり方や行政に対する位置付けを統一化・明確化する目的で、「三原市住民自治組織あり方構想」の策定に取り組んでいる。
1月8日、同市は、「住民自治組織あり方構想(素案)」を公表。1月18日まで意見募集を行っている。
公表された構想素案では、同市における現在の住民組織は、合併後の経過措置として住民組織代表者に対して市長から委嘱状を交付していることから、あたかも行政の末端機能を担っているように見え、実際にも地域の課題に自主的に取り組む組織は一部にとどまっている、と現状を分析。
今後は、市として、住民組織を行政と対等の立場に立つ任意団体として位置づけ、協働の担い手として育てていきたいとしている。
具体的には、町内会など住民組織を事実上の行政の末端機関に位置付けてきた設置規則・規定等を廃止し、行政の補助的機関ではなく、あくまでも任意の団体として、行政からの規則などに縛られることなく、「市民によるまちづくり」のための自主的な活動組織とみなしていくとしている。
市は、この構想の背景として、同市にはNPO法人が19法人と少なく、しかも、まちづくりの活動を行うNPO法人がまだ少ないことから、町内会・自治会などの住民組織を協働の担い手として育てていくことの必要性をあげている。
しかしながら、地域への情報伝達手段としての文書配布・回覧や身近な施設の管理など、住民組織が三原市から委託・協力を頼まれる仕事は多く、地域における行政事務を遂行する上で住民組織の協力は不可欠。
したがって、今後、住民組織が行政と対等の立場に立つ任意団体として位置づけられた後も、その内容が住民組織の協力を得ることが最も適切で効果的であると考えられる事項については、従来どおり三原市から住民組織へ依頼されるとのこと。
「住民自治組織あり方構想(素案)」は、三原市サイト内、下記に掲載されている。
http://www.city.mihara.hiroshima.jp/shisei/kakuka/siseikatu/shisei/arikata/arikata.html