行政 : 一宮市、市民が選ぶNPO支援条例制定へ
愛知県一宮市では、「個人市民税総額の1%程度」について、市民が一定金額の「権利」をもって、公表されたNPOのリストから支援先を選んで交付先とすることができる制度、「一宮市民が選ぶ市民活動に対する支援に関する条例」の条例化を進めている。同市では、2月4日から3月7日まで、この条例案に対する意見募集を行っている。
一宮市の「一宮市民が選ぶ市民活動に対する支援に関する条例(案)」の目的は、市民が直接意思を表明することができ、その意思を尊重して市民活動団体に対して市が財政的な支援ができる制度をつくること。
その制度によって、市民活動に対する市民の理解や関心がいっそう深まることを狙いとしている。
2月4日に公表された条例案によれば、この制度では、毎年度、18歳以上のすべての市民が「一定金額」の権利を持つことになる。
この「一定金額」は、6月1日時点の個人市民税額の1%相当額を、同日現在の18歳以上の市民の人口で割ったもの。
市民は、公表された支援対象となる団体の事業内容の一覧から自分の支援したい団体を3団体まで選択するか、広く市民活動支援のために使用される基金に積み立てるかのどちらかを選択できる。(なお、支援金の交付を希望する団体は、あらかじめ事業計画書などを提出して、一定の要件を満たしていれば支援の対象となることができる。)
市の試算では、平成19年6月1日時点の個人市民税額の1%は、199,974,000円。これを同時点の18歳以上の市民の人口312,456人で割ると1人あたりの支援額は640円となる。
312,456人のうち30,000人が参加すると仮定すると支援金の総額は、640円×30,000人=19,200,000円。1人が3団体まで支援したい団体を選択できるが、1団体選択した場合は満額の640円、2団体選択した場合は半額の320円、3団体選択した場合は1/3の213円が、選択した団体の支援金に充てられる。
例えば、ある団体の事業を200人(1団体選択100人、2団体選択50人、3団体選択50人)が選択したとすると、「640円×100人+320円×50人+213円×50人=90,650円」がその団体に交付されることになる。
ただし、このような場合であっても、例えば団体が80,000円の支援金の交付を希望していたとすると、団体への支援金の交付は80,000円となり、差額の10,650円は、広く市民活動支援のために使用される基金へ積み立てられる。
同市は、この条例案について、2月4日から3月7日まで意見募集を行い、平成20年度の実施を予定している。
一宮市の「一宮市民が選ぶ市民活動に対する支援に関する条例」の詳細は、同市サイト内、下記を参照のこと。
http://www.city.ichinomiya.aichi.jp/division/chiikifureai/ikenteisyutsu/shiminkatsudo/