行政 : 神奈川県、ボランティア活動調査
神奈川県は、取組みを進めている「県民パートナーシップ条例(仮称)」や今後のさまざまな施策を検討していくための基礎資料とするため、県民、NPO法人、及び企業を対象にそれぞれのボランティア活動や社会貢献活動に関する考えなどの調査を実施。3月3日、その結果(速報版)を公表した。
神奈川県が3月3日に集計結果(速報版)を公表した「ボランティア活動等に関する調査」は、同県が制定に向けた取組みを進めている「県民パートナーシップ条例(仮称)」や今後のさまざまな施策を検討していくための基礎資料とするために実施された。
調査期間は昨年の11月12日から27日。
この調査は、1)県民のボランティア活動に関する調査、2)NPO法人の活動に関する調査、3)企業の社会貢献活動に関する調査、の3つの調査からなる。
各調査の対象、回答数は下記の通り。
1)県民のボランティア活動に関する調査
・調査対象:県内在住の満20歳以上の男女3,000人
・回答数:1,153(有効回収率:38.4%)
2)特定非営利活動法人の活動に関する調査
・調査対象:神奈川県が認証し、平成19年10月1日までに設立登記が完了している全てのNPO法人(全数調査:1,957件)
・回答数:989(有効回収率:50.5%)
3)企業の社会貢献活動に関する調査
・調査対象:県内に所在する13日本標準産業分類に属する従業員規模10人以上の事業所(農林漁業、鉱業、公務は除く)で、経営形態が個人経営、又は会社に属するもの
・回答数:977(有効回収率:27.5%)
県民を対象とした調査では、ボランティア活動への関心について、「非常に関心がある」(7.6%)と「ある程度関心がある」(49.3%)をあわせた「関心がある」は、56.9%。
また、ボランティア活動の必要性について、「必要だと思う」(59.1%)と「どちらかといえば、必要だと思う」(26.8%)をあわせた「必要だと思う」(85.9%)が8割台にのぼった。
しかし、その一方で、約7割の県民は「ボランティア活動をしたことがない。」(69.1%)と答えている。
また、今後のNPOやボランティア活動への寄付の意向について、「条件によっては寄付をしてもよい」(58.9%)が最も多く、「積極的に寄付をしていきたい」(1.7%)とあわせた「寄付をしてもよい」(60.6%)は6割を超えた。
一方、NPO法人を対象とした調査では、過去3年以内の行政機関との協働事業実施経験について、「行ったことがある」(30.5%)は約3割。
協働事業を実施した際の問題点について、「特に問題はなかった」(45.7%)が4割台で最も多く、次いで「行政側の資金負担が少なく、法人の経済的負担が大きかった」(30.8%)が3割を超えた。(複数回答)
活動するうえでの問題点について、「活動資金が不足している」(58.1%)と「事業にかかわるスタッフが不足している」(57.0%)がともに5割を超えた。(複数回答)
県や市町村などの行政機関のボランティア活動への関わりについては、「行政は全面的に支援すべき」(32.3%)が3割台で最も多いが、「行政は普及啓発など間接的な支援を行えばよい」(30.8%)と「行政の関与はボランティア活動のための条件整備にとどめるべき」(23.8%)をあわせた「間接的な支援ないしは条件設備にとどめるべき」(54.6%)は5割台だった。
また、企業に対する調査では、社員(従業員)のボランティア活動への参加支援について、「現在実施しておらず、今後も実施するつもりはない」(64.7%)が6割台で最も多く、「現在実施している」(15.9%)と「現在実施していないが、今後、新たに実施したい」(17.1%)をあわせた「実施したい」(33.0%)は3割台だった。
社会貢献活動を実施するに当たっての問題点について、「人的な余裕がない」(60.5%)が6割を超えて最も多く、次いで「資金面で余裕がない」(30.8%)が3割を超えた。(複数回答)
神奈川県の実施した「ボランティア活動等に関する調査」の結果(速報版)は、同県サイト内、下記に掲載されている。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kenminsomu/npo/19volu-chousakekka.html